
結果速報!【第3回全国1万人従業員エンゲージメント調査 】
株式会社アジャイルHRと株式会社インテージが共同開発し、東京大学と共同研究を行った「A&Iエンゲージメント標準調査」の全国調査を実施しました。2023年、2024年に続き、今年が第3回となります。その結果からわかった、日本における従業員エンゲージメントの実態について、数回に分けてお届けします。
1.調査の目的
2025年の全国調査は以下の3つの目的で実施しました。
1.世界的にも低いと言われる日本の従業員エンゲージメントに関して、過去2年と同様にその要因を分析すること
2.昨年と今年を比較した従業員エンゲージメントの変化について分析すること
3.人材投資、DX、リモートワーク、リスキリングなどの取り組みと従業員エンゲージメントの関係について分析すること
調査結果レポートの詳細は、日本の人事部の弊社ページ、弊社のホームページからもダウンロードできます。
2.日本の従業員エンゲージメントが低い理由
■会社に対する思い入れや愛着心が低い
従業員エンゲージメントは、以下の2つの概念を含んだ個人の心理状態を指します。
1. ワークエンゲージメント:仕事を通じて得られるポジティブな心理状態
2. 組織コミットメント:所属する会社や組織に対する思い入れや愛着心
本調査では4件法を採用しているため(4:そうだ、3:ややそうだ、2:ややちがう、1:ちがう)、肯定的回答と否定的回答の中間スコアは2.5となります。今回の全国調査における平均値は以下のようになりました(従業員エンゲージメントの値は、ワークエンゲージメントと組織コミットメントの平均)。
従業員エンゲージメント 2.54
ワークエンゲージメント 2.64
組織コミットメント 2.45
ワークエンゲージメントの値は中間スコア(2.5)を0.14上回っていますが、組織コミットメントの値は中間スコアを0.05下回っており、組織コミットメントの低さが従業員エンゲージメントを引き下げる要因となっています。
■仕事から活力を得られていない
ワークエンゲージメントは活力、熱意、没頭の3要素によって構成されていますが、それぞれのスコアは以下のようになりました。
ワークエンゲージメント 2.64
活力 2.47
熱意 2.78
没頭 2.66
活力とは、仕事中のエネルギーレベルや心理的な回復力が高い状態を表していますが、その活力の低さがワークエンゲージメントを引き下げる要因となっています。
■職場運営(マネジメント)の問題が大きい
「A&Iエンゲージメント標準調査」は、従業員エンゲージメントとその構成要素だけではなく、従業員エンゲージメントに対して影響を及ぼす要因(「仕事の資源」と「価値観・ビジョンの共有」)、および従業員エンゲージメントが影響を及ぼす結果(アウトカム)まで含めた全体の因果関係を測定しています。
本年の調査結果の全体像は以下のようになりました。
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株式会社アジャイルHR 代表取締役社長 |
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日本において、1on1とOKRを含む、パフォーマンスマネジメントの重要性をいち早く唱え、多くの企業の経営者と共にマネジメント改革に携わる。 東京大学法学部卒業後、アクセンチュアにて、人と組織の変革を担当するチェンジマネジメントグループの立ち上げに参画。同社のヒューマンパフォーマンスサービスライン統括パートナー、エグゼクティブコミッティメンバーを歴任後、アジャイルHRを設立。 |
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