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2.メンタルヘルスの「現状」

(1)「心の病」の増減傾向

●最近3年間の「心の病」の増減傾向は、「増加傾向」が29.2%と3割を下回る

イメージ働く人のメンタルヘルスは、どのような状況にあるのか。日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」は、2002年から企業のメンタルヘルスに関する取り組みに関するアンケート調査を実施している。直近の第7回『メンタルヘルスの取り組み』関する企業アンケート調査結果(2014年)から、メンタルヘルス(心の病)の現状を見てみよう。

『最近3年間における「心の病」の増減傾向』を見ると、「増加傾向」と回答した企業が29.2%と、前回調査の37.6%から減少し、3割を下回った。一方、「横ばい」と回答した企業が58.0%と、前回の51.4%、前々回の45.4%から増加傾向が続いている。過去8年間の結果を見ると、「増加傾向」の割合は減少しているが、2010年の調査からは「横ばい」が「増加傾向」を上回るようになり、その傾向は年々強まっている。一方、「減少傾向」にある企業は10%に満たず、微増にとどまっている。今後の課題は「増加傾向」をさらに減らし、「横ばい」を減少に向かわせることであり、その意味からもこれからがメンタルヘルス対策の本番と言えるだろう。

図表1:「心の病」の増減傾向(%)
  2002年 2004年 2006年 2008年 2010年 2012年 2014年
増加傾向 48.9 58.2 61.5 56.1 44.6 37.6 29.2
横ばい 24.8 25.0 29.4 32.0 45.4 51.4 58.0
減少傾向 3.5 1.9 1.8 4.5 6.4 7.8 9.2
わからない 20.9 13.4 7.3 5.6 2.8 1.8 2.0

*出所:第7回『メンタルヘルスの取り組み』関する企業アンケート調査結果(日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」/2014年)

(2)「心の病」の多い年齢層

●30代、40代が3割を上回る。10-20代も2割近い水準に

では、「心の病」が多いのは、どの年齢層なのか。これまでは「30代」の「心の病」が突出して多かったが、2012年の調査では40代(36.2%)が、30代(34.9%)を上回った。しかし、2014年の調査では30代が38.8%と、再び最も多い年代となっている。40代も32.4%と依然として多く、両世代にまたがる課題となっていることがわかる。ただし、近年は10-20代の割合も18.4%と2割近くを占めるようになり、「心の病」を課題とする年代が広がっていることがわかる。

図表2:「心の病」の最も多い年齢層(%)
  2002年 2004年 2006年 2008年 2010年 2012年 2014年
10-20代 13.1 10.4 11.5 10.8 13.9 18.8 18.4
30代 41.8 49.3 61.0 59.9 58.2 34.9 38.8
40代 27.0 22.0 19.3 21.9 22.3 36.2 32.4
50代 9.6 5.6 1.8 3.0 1.2 3.2 4.4

*出所:第7回『メンタルヘルスの取り組み』関する企業アンケート調査結果(日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」/2014年)

(3)組織風土と「心の病」の関係

●「心の病」が「増加傾向」にある組織では、「従業員の孤立化」が進んでいる

イメージところで、組織風土と「心の病」には、どのような関係があるのだろうか。「心の病」の増減傾向と組織状態に対する質問のクロス集計で見ると、「個人で仕事をする機会が増えた」「職場での助け合いが少なくなった」「職場でのコミュニケーションの機会が減った」など、従業員の孤立した状況を聞いた質問に対して「そう思う」と回答したのは、「心の病」が増加している組織に多い。一方、「従業員の声が事業開発や業務運営に反映されている」「異なる雇用形態の人とのコミュニケーションはスムーズである」など、垣根を越えたコミュニケーションについて肯定的な回答をしたのは、「心の病」が減少している組織に多くなっている。

この結果を見る限り、従業員の孤立した状態が、「心の病」の増加につながると言えそうだ。そのため「心の病」を防止するには、従業員一人ひとりを組織から孤立させず、組織内の垣根を越えたコミュニケーションを広げて、メンバーシップを拡大することが大切である。今後のメンタルヘルス対策においては、メンバーシップの確保と拡大が重要になるだろう。

図表3:組織風土と「心の病」の増減傾向
【従業員の孤立した状況を聞いた質問】
■個人で仕事をする機会が増えた(%)
そう思う ややそう思う そう思う・ややそう思うの「合計」
増加傾向 11.0 41.1 52.1
横ばい 8.3 34.5 42.8
減少傾向 8.7 26.1 34.8
■職場での助け合いが少なくなった(%)
そう思う ややそう思う そう思う・ややそう思うの「合計」
増加傾向 6.8 42.5 49.3
横ばい 4.8 32.4 37.2
減少傾向 8.7 21.7 30.4
■職場でのコミュニケーションの機会が減った(%)
そう思う ややそう思う そう思う・ややそう思うの「合計」
増加傾向 9.6 49.3 58.9
横ばい 4.8 38.6 43.4
減少傾向 4.3 34.8 39.1
【垣根を越えたコミュニケーションを聞いた質問】
■従業員の声が事業開発や業務運営に反映されている(%)
そう思う ややそう思う そう思う・ややそう思うの「合計」
増加傾向 5.5 42.5 48.0
横ばい 4.8 46.9 51.7
減少傾向 8.7 52.2 60.9
■異なる雇用形態の人とのコミュニケーションはスムーズである(%)
そう思う ややそう思う そう思う・ややそう思うの「合計」
増加傾向 16.4 53.4 69.8
横ばい 13.1 60.7 73.8
減少傾向 26.1 52.2 78.3

*出所:第7回『メンタルヘルスの取り組み』関する企業アンケート調査結果(日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」/2014年)

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