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インタビュー
ヒューマン・フロンティア株式会社・神沢裕社長に聞く

徹底した「現場主義」と高品質なサービス
従業員とその家族が生き生きと生活できるような環境づくりを支援し、
企業の生産性向上に繋げるためのトータルソリューションを提案

ヒューマン・フロンティアはEAPサービスプロバイダーとして、企業内のメンタルヘルス問題の解決を支援する役割を担っている。「企業が発展していくためには人がとにかく大事です」と語る社長の神沢氏。従業員のプライベートな相談や休職者のケアなど、企業が自社だけでは対応しきれない領域までカバーする、きめ細やかなサポート体制は、創業当時からの徹底した現場主義に基づいて構築されたものだ。この信念をどのように事業に取り込み、問題解決に活かしているのだろうか。

プロフィール

ヒューマン・フロンティア株式会社・神沢裕社長

神沢 裕(かみさわゆたか)

1980年慶応義塾大学経済学部卒、同年大手銀行に入行。 法人向け融資、米国勤務を含む国際金融、事業再生業務等に従事。1998年退社。 その後、大手電機メーカーの 国際財務担当部長等を経由して、独立系メンタルヘルス関連事業会社でEAP事業の責任者を経験。当該事業を内部成長させると共に、同業者2社をグループ入りさせて、当該2社の経営にも参画し、EAP事業を数年経験の後、2008年ヒューマン・フロンティア株式会社入社、2009年10月代表取締役社長に就任。


相談者のもとへどこにでも出向くという徹底した現場主義

---御社がメンタルヘルス事業において、一番大切にしていることは何でしょうか。

ヒューマン・フロンティア株式会社・神沢裕社長当社が一番大切にしていること、それは「現場主義」です。この10年でメンタルヘルスは経営上の非常に大きな課題と認識されるようになりました。当社はメンタルヘルスの問題を解決することで企業の生産性向上に寄与できると考えています。企業が発展していくためには、なにより従業員とそのご家族が生き生きと暮らせる環境が必要です。その前提でメンタルヘルスケア事業を行なっています。一次予防から三次予防までフルラインのサポート体制で、経営、人事だけでなく、管理職、従業員などのあらゆる階層へそれぞれの現場の視点で考えた最適なソリューションを提供していく方針です。

---現場主義は具体的にどのような形で表れていますか。

一番はカウンセリングです。当社のカウンセリングの大きな特徴は、相談者が指定する場所、まさに「現場」に必ず出向くことです。ご自宅まで伺うこともあります。忙しい方や休職中の方はなかなか自分から足を運ぶことが困難ですし、相談者はご家族も含みますから、お子さんが小さいご家庭の場合はこちらから出向くことが重要なんです。また、特に復職支援の場合に当てはまりますが、関係者と連携することが相談者の支援に効果的な場合があります。そうした場合にも、当社のカウンセラーは関係者のご都合が良い場所まで出向き連携を取ります。当社には全国に75名の専属カウンセラーがおりますので、一番近くの地域スタッフが対応します。こうした体制は、全国に事業所をお持ちの企業様からご評価いただくポイントの一つです。

---人事や経営層へはどのようなアプローチを行なっていますか?

ストレス診断に基づいた組織分析を行い、その結果を人事や経営層の方に報告しています。EAP会社の多くはストレスチェックの結果だけを提示して終わってしまうケースが多いのですが、当社は分析結果によっては管理職の方とカウンセラーが一緒に原因について検討する時間を設け、導き出した結論を基に現場へ改善策を提案しています。ここでも「現場」を大事にしています。現場レベルで解決できないことは人事部門や経営層に提案します。カウンセリングの相談内容から見える組織の課題についても、定期的に人事や経営層に報告し、ソリューションを提案する機会を設けるようにしています。また、管理職の方に対する啓蒙活動も重要な活動のひとつです。たとえば、どういう兆候があればメンタルケアが必要なのかや、実際うつの方がいた時にどう対応をしたらよいのかということを研修で理解していただいています。研修を受けた管理職の方が実際に部下の不調に気づき、具体的な対応についてカウンセラーに相談をしてくるケースもあります。

ISO9001が保証する信頼性の高いサービス

---御社はメンタルヘルス業界で初めてISO9001を取得されました。取得の理由をお聞かせください。

ヒューマン・フロンティア株式会社・神沢裕社長 ISOはもともと工業製品の品質管理を扱う国際認証でしたが、近年はサービスまで審査の幅を広げました。この認証レベルでサービスの質が保証されれば、お客さまも安心して相談できるだろうと考えたのが取得のきっかけです。この認証は継続的に業務改善ができなければ取得が難しいのですが、当社が取得し、維持できている理由はカウンセラーが専属であるからです。まずカウンセラーの基準として、資格はもちろん、一般企業で働いた経験のある者だけを採用しています。企業にお勤めの社員の方、さらには管理職や人事の方からご相談いただく内容の中には、企業経験が無ければ適切な対応が出来ないものも多くあるからです。次に全国のスタッフを東京に集め、定期的に外部の専門家による研修やトレーニングを実施しています。そのほか、カウンセリングの内容や事例を集約し、ナレッジを共有できる体制であることも重要です。こうした体制は、外部のカウンセラーと提携しているだけでは実現できませんので、サービスの品質面で他のEAP会社との差別化に繋がっていると思います。

---御社の今後の展望をお聞かせください。

まず、いわゆる「一次予防」のさらに前の段階に着目していきたいと考えています。メンタルヘルスの問題を発生させないために、早くからできることがあるのではないか――。そういった観点から、ワークライフバランスや職場活性化のコンサルティングなどは既に手がけていますが、これからも力を入れていきたいですね。また、20代を中心とした若い世代の問題にも関心があります。典型的なのが好きなことに取り組んでいるときは元気がいいという「新型うつ」の症状です。医学的な解明はまだこれからですが、現場では多くの管理職が困っています。先ほど申し上げた通り、当社にはナレッジの共有により解決のノウハウがすでに現場から集まっていますので、どんな環境であれば若い世代がのびのびと能力を発揮できるかについて、これから企業へどんどんフィードバックしていきたいと思っています。

いずれにしても、「従業員とその家族が生き生きと働き、生活できるような環境づくりを支援することで、企業の生産性を上げる」ことが究極の目標であり、それに見合うことであれば何でも取り組んでいきたいと考えています。

---「現場主義」と「高品質」を実感することができました。本日はありがとうございました。

ヒューマン・フロンティア株式会社・神沢裕社長

企業データ

社名 ヒューマン・フロンティア株式会社
本社所在地 〒105-0004
東京都港区新橋1-17-2 第2光和ビル3階
事業内容
  1. 社員カウンセリングサービス(人材支援)
  2. 企業向け各種研修及び附随するコンサルティング
設立 2000年2月
代表者名 代表取締役社長 神沢 裕

会社情報 サービス情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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