「メンタルヘルスは現場ではなく経営の課題」
成果を重視し、予防・組織活性化、早期発見・対応、
復職支援までの全工程をカバー
メンタルヘルス業界のリーディングカンパニーとして、先進的なサービスを展開する株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント。社長の鳥越氏は「当社の特徴は、ツール提供にとどまることなく、成果を上げるソリューションにこだわっていること。具体的な成果事例を対外的に発信している、業界有数の企業ですと自社サービスに自信をのぞかせる。企業がメンタルヘルスに取り組もうと思ったら、まず重要なのが、なぜメンタルへルスに取り組むのかという視点の問題、そして、徹底した原因究明と対処、と鳥越社長。この2つのポイントに、メンタルヘルスに関する誤解や課題が見え隠れする──。
鳥越 慎二(とりごえしんじ)
1962年8月15日、新潟県 生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業(経営管理専攻)。ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA 経営学修士号取得)。大学卒業後、外資系戦略コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーにて保険・金融を始め様々な業界を対象としたコンサルティング業務に従事。1994年、株式会社アドバンテッジパートナーズ・パートナーに就任。翌年、株式会社 アドバンテッジ インシュアランス サービスを設立、同社代表取締役社長に就任し、団体長期障害所得補償保険(GLTD)のマーケティングを開始。1999年3月、株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメントを設立、同社代表取締役社長に就任。GLTDおよびメンタルヘルスケア分野におけるリーダー企業に成長させる。
メンタルヘルスに取り組むのは現場ではなく経営陣
---御社はメンタルヘルス事業において業界を代表する企業ですが、他社との違いはどのような点にあるのでしょうか。
当社はメンタルへルスを病気の問題ではなく、経営に関わる重要な問題として捉え、事業を展開しています。当社はもともと、病気やケガで長期に働けない人の収入をサポートするGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を手がけ、企業の皆さまに福利厚生制度としてご活用いただくような事業を展開してきました。人事の方に働きかけて、従業員満足度を高めるべく保険制度を運営してきたのですが、2000年に長期休業の原因を探ったところ、年間30日以上休んでいる人の実に35%もの原因がうつであることがわかりました。単体の理由として、もっとも割合の高いものがうつだったのです。長期休業者や退職者を出してしまうことは、会社の大きなコストであり、リスクでもあります。そのような状況に、人事の方から「なんとかしてほしい」と相談を受ける機会が増え、メンタルヘルス事業に取り組むことになりました。
---視点の違いは事業を展開する上で、どのような違いとなって表れるのですか。
現場ではなく、経営の問題として捉えているので、まず接する相手が異なります。当社は人事部長以上、あるいは経営陣の皆さまとお話しすることを必須としています。現場の問題として捉えると、どうしても事後処理的なアプローチが中心となってしまい、根本的な問題解決にいたりません。メンタルへルスは、経営の問題として取り組まなくてはいつまで経っても解決できないんです。
テスト実施から個人・組織の対策実施までをトータルに提供
---メンタルヘルス対策として、御社が提供しているサービスの特長を教えてください。
3つの大きな特長があります。1つ目は、こころの健康状態をチェックするためのテストを徹底して行い、うつが発症までにはいたっていない要対応者までしっかりと洗い出すことです。テストは健康診断と同じような位置づけで受診していただいています。このテストは必須でお願いしていて、受診率は9割ほど。心の病は重篤になってしまうと対応が難しくなります。なるべく初期に兆候のある人を見つけることが大切です。そのためにテストは全員に受けていただきたいと思っています。特長の2つ目は、テスト結果から、ストレスの原因を徹底的に調べ上げ、対策を施すことです。人間関係や業務の内容など、ストレスはさまざまなところに存在しています。しかし、ストレスが少なければ生産性が高いというわけではありません。会社の業績を考えると、単純にストレス原因を取り除けばいいわけではありません。そこで3つ目の特長として、個人を鍛えるというプログラムを展開しています。ストレスのもとを減らそうとしても、ゼロにすることはできません。だったら、ストレス源を減らす努力も必要だけれども、ストレスに強い人材を作ることも大切だろうということなんです。当社では、心の知能指数と呼ばれるEQ(Emotional Intelligence Quotient)理論に基づき、ストレスの大きな原因の一つである人間関係を適切に構築・維持するためのトレーニングプログラムも提供しています。
ワンストップソリューションだから実現できること
---日本企業がメンタルヘルスに取り組む上で、問題だと感じていることはありますか。
メンタルへルスを経営の問題として捉えていない企業がまだまだ多いと思います。また、メンタルへルスに取り組んではいるものの、たとえば診断や研修、カウンセリングといった項目ごとに専門の会社に依頼しているケースが少なくありません。メンタルヘルスにおいてそれぞれの段階をパーツとして見なすとどうなるでしょうか。たとえば、診断はA社に頼み、B社にカウンセリングをしてもらう場合、B社はA社の情報をうまく活用しているのでしょうか。せっかくお金を払っても、残念ながら、寄せ集めのような対処方法では問題が解決することはないでしょう。当社の強みは、メンタルヘルス事業を経営の問題として捉え、コンサルティング的なアプローチで対処していること。それを実現するためにテストや組織分析、研修、カウンセリングなど全工程を一手に引き受けていることです。当社では、まずテストを施すことで状況を把握し、その資料をもとにしっかりとカウンセリングを行っています。そのような連携がないと、問題を正しく把握できないからです。
---あくまで経営の問題として捉えることが大切なのですね。
そうです。メンタルヘルス問題の解消は、コストとリスクの削減につながります。また、生き生きと社員が働ける環境を作れば、長期休業者が減るだけでなく、業務効率のアップにもつながります。つまり、メンタルヘルスに取り組むことは、業務のマイナスを解消する以上に、プラスに転じさせる意味も多分に含まれているのです。
---メンタルヘルスに取り組むことの重要性がよくわかりました。本日は、ありがとうございました。
企業データ
社名 | 株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント |
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本社所在地 | 〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー17階 |
事業内容 |
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設立 | 1999年3月 |
代表者名 | 代表取締役社長 鳥越慎二 |