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ネガティビティ・バイアス
[ネガティビティバイアス]

ネガティビティ・バイアスとは、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応し、記憶しやすく、影響を受けやすいという心理的傾向のことです。人間の進化の過程で、危険を察知し、身を守るために発達したと考えられています。人事においては、従業員の評価、組織内のコミュニケーション、モチベーション管理など、さまざまな場面でネガティビティ・バイアスが影響を及ぼす可能性があります。特性を理解し適切に対応することで、より公平で生産性の高い職場環境の構築につながります。

ネガティビティ・バイアスのケーススタディ

人事領域におけるネガティビティ・バイアスの影響と対処法

ネガティビティ・バイアスは、どのような場面で起こりやすいのでしょうか。

まず、人事評価において顕著な影響を及ぼします。たとえば、従業員が多数の素晴らしい成果を上げていても、たった一つの失敗やミスが強く記憶に残っていると、それが全体の評価を左右してしまうことがあります。従業員のモチベーション低下や不公平感につながり、エンゲージメントが低下するリスクがあるため、注意が必要です。具体的な行動や成果に基づいた客観的な評価基準を設け、複数の評価者が関わることで、個人の主観による偏りを是正できます。

次に、フィードバックを行うとき。ポジティブな側面を具体的に伝えることに加え、改善点を指摘する際は感情的にならず、建設的かつ客観的な事実に基づいて行う配慮が必要です。「サンドイッチ型フィードバック(良い点→改善点→良い点)」のような手法も効果的。これにより、フィードバックが一方的な批判として受け取られることを防ぎ、成長を促す機会にすることができます。

三つ目は、採用活動。面接官が応募者のわずかな欠点や懸念点に過度に注目し、それらが採用について判断する要因となることがあります。多角的な視点から候補者を評価し、面接官が共通の評価基準を持つことで、ネガティビティ・バイアスによる偏りを軽減できます。

四つ目は、組織内でコミュニケーションを取るとき。ネガティブなニュースや噂は、ポジティブな情報よりも早く、広範囲に拡散しやすい傾向があります。不安や不信感が組織全体に広がり、チームワークや生産性に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。経営層や管理職は、透明性の高い情報の共有を心がけ、従業員の懸念に真摯に対応することで、ネガティブな感情の拡大を防がなければなりません。日頃からオープンなコミュニケーションを奨励し、成功事例や感謝の気持ちを積極的に共有する文化を育むことも重要です。

ネガティビティ・バイアスに対処するためには、意識的にその影響を軽減する努力が不可欠です。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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