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SOC(首尾一貫感覚)
[エスオーシー シュビイッカンカンカク]

「SOC(Sense of Coherence)」とは、「首尾一貫感覚」「ストレス対処力」とも呼ばれ、ストレスに対応するためのヒントになる考え方のこと。1970年代に、医療社会学者のアーロン・アントノフスキー氏によって提唱されました。同氏は人が精神的な健康を保つ力に着目し、困難に遭遇しても、自ら健康な状態に押し戻す力があるとしています。

SOC(首尾一貫感覚)のケーススタディ

SOCとは、人生に納得していること
高めるための三つの要素は

SOCの「Coherence」は、日本語で「首尾一貫」と訳されますが、「筋道が通っている」といったほうが理解しやすいでしょう。人は理不尽なことや理にかなっていない出来事があると、もやもやした気持ちになります。それに対して「筋道が通っている」、つまり納得できている状態であれば、すがすがしい気持ちになるはずです。

アントノフキー氏は、第二次世界大戦でナチスドイツの強制収容所に入れられた人たちの、その後の心身の健康状態を研究しました。研究を通じて、SOCが高い人は極限状態を経験しても、その後の人生を健やかに過ごせていることに気づきました。

SOCは、「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」という三つの要素で構成されています。「把握可能感」は自分の置かれている状況を理解できること、「処理可能感」は何とかなりそうだと感じられること、「有意味感」は出来事には意味がある、生きる意味を感じられることをいいます。逆境に陥っても、人間関係や物的リソースを活用しながら困難に立ち向かい生き抜く、内なる力を表す概念です。

これらはそれぞれ独立した感覚ではなく、密接につながっているもの。例えば、仕事で問題が生じたとしても、自分の置かれている状況を理解できれば、何とか対処できそうだと感じることができるでしょう。SOCは先天的な能力ではなく、後天的に高めることも可能だと言われています。三つの要素を理解することで、ストレス状態に置かれた場合でも、ものの見方を変えてみることができるはずです。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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