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役割曖昧性
[ヤクワリアイマイセイ]

「役割曖昧性」とは、自分の与えられた仕事内容や責任について、情報が不足しており、何を行えばよいかわからない状態のことをいいます。「役割の曖昧さ」とも呼ばれます。役割が曖昧なままでは、仕事への満足度の低さ、組織への帰属意識の低さ、不安感や欠勤の増加につながりかねません。自分に何を期待されているのかがわからなければ、仕事のパフォーマンスが下がり、メンタルヘルス不調を引き起こしやすくなるからです。管理職は適宜フィードバックを行うなど部下とコミュニケーションをとり、期待する役割をしっかりと伝えることが大切です。

役割曖昧性のケーススタディ

テレワークにメンバーシップ型雇用
役割曖昧性の危険はあちこちに?

最近はパワハラやセクハラに関するニュースを目にする機会が多いこともあり、部下との距離感に悩むマネジャーが少なくありません。プライベートに関する質問は避けたほうがいいだろうか、仕事の進捗を細かく聞きすぎるとプレッシャーを与えてしまうのではないだろうか。そう考えているうちに、部下とコミュニケーションをとる機会が少なくなっていたケースもあるでしょう。すると、このようなコミュニケーションの欠如を「自分への無関心」として捉え、パワハラに該当すると考える部下がでてくるかもしれません。

臨床心理士・関屋裕希氏は、このような「放任型」のリーダーシップスタイルは、部下に大きなストレスを与えるといいます(関連記事参照)。また「関心を示してもらえない」状態は、マネジャーと部下の関係性だけでなく、チームの雰囲気も悪化させます。上司からの指示がなければ、誰がどこまで担当するのかが曖昧になり、メンバー間に不和が生じるからです。コロナ禍によってテレワークが浸透したことで、ぎこちない関係に拍車をかけてしまっているかもしれません。

ミスマッチや役割が多すぎることは心理的ストレスを引き起こしますが、それに加えて役割が曖昧であることも、不安感の増大につながります。それを踏まえると、メンバーシップ型雇用が中心の日本企業においては、総合職として中途入社した社員が、自分が担うべき役割がわからないまま、モチベーションを下げてしまうことも十分に考えられます。

このような状態にならないためには、部下が「上司は自分を見てくれている」と感じさせるコミュニケーションをとることが大切です。また、新たなメンバーが配属された際にはオンボーディングを丁寧に行い、期待する役割をきちんと伝えなければなりません。テレワークが普及している今こそマネジャーは部下と密なコミュニケーションとり、期待する役割を曖昧ではなく、しっかりと伝えることが重要です。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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