
感情労働でバーンアウトするのはなぜ?原因と解決策
今回は感情労働について取り上げます。
・接客業(飲食店、小売店など)
・コールセンターのオペレーター
・看護師や介護職
・金融機関の窓口
・教師や保育士
・クレーム対応部署の従業員
・行政の窓口
簡潔に言えばカスタマー対応業務に従事する仕事は、感情労働と呼ばれています。
自分の感情をコントロールしながら仕事をする必要があるので、感情労働と呼ばれています。
またクライアントの感情がぶつけられやすい仕事でもあるので、感情労働と呼ばれています。
働く人とクライアントの双方の視点から、感情労働という言葉が生まれたのです。
そして感情労働にまつわる悩みは、毎日の様に私のもとへ寄せられます。
本人からの相談はもちろん、メンタル不調による休職や離職を回避するために解決策を探している経営者や人事担当者の方からも、今回のテーマの相談は寄せられます。
仕事をするのが苦しくなり、疲れやストレスを感じやすいのです。
最終的には休職や離職につながったり、心身の健康を崩してしまうこともあります。
私も感情労働の業界でメンタルヘルス研修を実施したり、最近ではカスハラ対策について企業から相談を受けることもあります。
今回は感情労働で悩む人の心理背景や原因、そして苦しい状況を抜け出す方法を解説します。
●感情労働でバーンアウトするのはなぜ?
クライアントからの感情がモロに飛んでくるのが、感情労働の多くで見られる特徴です。
しかも業界によっては、対応し始めた段階からクライアントの感情の沸点が高いこともあります。
たとえばコールセンター。
お問い合わせの電話をしてもなかなかつながらなかったり、たらい回しにされた経験が誰しも一度はあると思います。
「こっちは時間がないんだから…」
「長く待たせて不誠実だな…」
オペレーターにつながる前に、クライアントは怒りや不満を溜め込んでいるのです。
そしていざオペレーターと話すと、口調が強くなったり怒りをぶつけてしまうことがあるのです。
最近ではカスハラも話題になっていますが、カスハラ的な言動を見せるクライアントも中にはいます。
●マニュアルで対応はできるけど…
「クレームを受けた時にどう対応するのか?」
「どんな切り返しをすればいいのか?」
これらは事前に学んでいることが多いです。
入社時研修の中で学んだり、専用のマニュアルが整備されていることが多いです。
確かにマニュアルで対応すれば、その場を収めることはできます。
ですがクレームを受けた心の傷までは、マニュアルで対応できません。
「何でキツく言われないといけないのか…」
「私の対応がマズかったのか…」
「周りは誰も助けてくれない…」
この様にネガティブな気持ちを心の中で溜め込んでしまうのです。
そしてネガティブな気持ちが蓄積すると、限界を迎えると仕事が憂うつになってしまいます。
「私にはこの仕事が向いていないのでは…」
「もう働き続けるのが苦しい…」
「いっそのこと辞めてしまおうか…」
こうした心境から休職・離職が生まれるのです。
まさに仕事に燃え尽きバーンアウトしてしまいます。
●クレームはなくならない
もちろんマニュアルを整備するのも大切ですし、組織的な対応方法を構築する必要もあります。
ですが一番大事なのは、実際にクレームを受ける社員のメンタルです。
社員のメンタルを守る対策をしなければ、安心して働き続けることができないのです。
そして特に大事な視点として、クレームはなくなりません。
どの時代においてもクレームは存在しましたし、カスハラという言葉が生まれる前からカスハラ的な言動は存在しました。
つまりマニュアルや組織体制をどれだけ構築しても、クレームを言う人がいなくならない以上、社員の心のケアの方法を確立しないといけないのです。
この点を放置すれば休職や離職率の増加につながり、仕事が回らなくなってしまうかもしれません。
たとえば感情労働の1つのコールセンター業界は、入社1年以内のオペレーターの離職率が3割と言われています。
1年以内で3割のオペレーターが離職するのは、数値としては非常に高いと言えます。
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株式会社マイルートプラス代表取締役 |
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