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専門家コラム

企業における職場復帰支援(復職支援)

2023-10-31 テーマ: メンタルヘルス

みなさん、こんにちは。株式会社ヒューマン・タッチの森川です。

 今回は、「企業における職場復帰支援(復職支援)」についてお話しさせていただきます。 

弊社では、うつ病などのメンタルヘルス疾患からの職場復帰支援を、サービスとして取り組み15年以上になります。そもそも「休職」という制度が、法的に求められているものでない中、怪我などによる身体的な問題の療養ではなく、メンタルヘルス不調での療養について、組織がその回復や復帰後の適応について支援する考えは、少なくとも当時の民間企業の中ではレアなケースだったと感じます。 

  

当初は、 

「従業員と揉めているケース」 

「休務者が複数人発生して担当者では対応できないケース」 

「辞めてもらいたい従業員への対応」 

「企業の撤退や倒産にともなう支援」 

などでの対応が多かったように思います。 

 

つまり、会社や人事担当者が対応に苦慮するケースが多く、休職者への療養中の支援ならびに復職後のサポートの視点、ましてやすべての従業員への不調予防やいきいき職場づくりの視点は小さかったのではないでしょうか。 

 

自殺者の高止まりなどの背景からも、働く人へのメンタルヘルス対策が進められてきました。具体的にはこころとからだの健康に関す指針、長時間労働者への医師面接、ストレスチェックの義務化、労災認定基準の制定などの取り組みにより、まずは不調者に対しての「メンタルヘルス対策」が徐々に取り入れられてきました。 

ここ数年、不調者に対する狭い意味での対策のみならず、組織の安全や売上・利益などに直接結びつく、すべての従業員がいきいきと働くことを目指した取り組みとして、メンタルへルス対策が理解されてきました。かけたくない「コスト」ではなく、企業の成長のための「投資」としての理解が進んでいると感じます。 

復職支援に関しても、日本を代表する企業であっても、「私傷病での療養については自己責任で」とのスタンスで社内リソースを使った療養中の支援は全く行わないところも多かったと感じます。しかし、上述した流れの変化に加えて、慢性的な人不足、コロナ後の若手の早期離職なども重なり、新規で採用し教育するコストのほうが不調者をしっかりと支援して復職させるコストを上回るようになってきたように感じます。 

  

このような状況下、休職者を療養中から復帰後までトータルに支援する取り組みが、ここ数年ようやく注目されるようになってきたと感じます。「復職支援は3次予防だ」との考えを持つ方もおられると思いますが、多くの休職者のお話を継続してお伺いする中で、企業風土や制度ルールなどからくる業務に起因する課題が明らかになることが多くあります。この情報、職場環境改善や各種研修にフィードバックして、まさに未然予防としての「1次予防」に活用できることはあまり知られていないのではないでしょうか。  

個別的な面談から得られる情報を、目の前の不調者の支援だけでなく、チームや組織の環境改善に活用する視点です。あえて、外部の心理職による面談と分析報告を希望されて、社内で取り組まれていた復職支援に関する取り組み自体を丸投げで、従業員とのやり取りからすべての業務の委託を希望されるご相談をいただくことも増えてきました。 

 

どれだけAI化が進んでも、職場に人が無くなることは無いはずです。

むしろ、残った人間の心的な負担はより高まるのではないでしょうか。 

 

求められる職責も大きくなるとすれば、より個別的に支援を行い、その中で疾病の改善支援だけでなく新たなスキルの開発も担い、組織全体の課題についても解決方法を求めていくことができるとすれば、復職支援は今後ますます、必要な取組となると私は信じています。 

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

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