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専門家コラム

バウンダリー・マネジメント

2022-09-12 テーマ: メンタルヘルス

【ヒューマン・タッチ レター vol.101】    

みなさん、こんにちは。株式会社ヒューマン・タッチの森川です。

8月は夏休みとして、コラムもお休みいただいていました。
今月から不定期ですが再開させていただきます。

セルフケアについて、長年セミナーを実施してきました。
代表的なアジェンダ(概要)は以下のようになります。

■セルフケアの基本
・ストレスとは何か
・職場のストレス要因
・ストレスはどこからやってくるのか
・ストレス反応 様々なサイン
・ストレス反応 うつ病
・それでも不調になった場合には

■ストレス対処法①
・ストレス対処法 身体・睡眠・行動面から
・呼吸法、脱感作の体験

■ストレス対処法②
・ストレス対処法 精神・認知面から
・柔らかい考え方を作り出す

■ストレス対処法③
・「今、ここ」に意識を向ける
・マインドフルネスの体験

■ストレス対処法④
・リラクセーションとは
・自律訓練法の体験

ご覧いただいてお分かりのように、「ストレス対処法」がメインです。
職場では「ストレス要因」が多くあり、その要因に対して、私達が
どのように(生活習慣の面や認知面から)対応するかをお伝えしています。

私の感覚では「受動的」な対処方法です。
以前から感じていましたが「能動的」な対処方法も強化していくべきではないかと思います。

私の考える「能動的」な対象法は大きく以下の2つになります。
①自らの「価値」を整理して、業務や会社が求める「価値」との重なりを意識する
→仕事自体を「いきいき」と取り組むことが可能に。エンゲージメントを高める

②「余暇」を充実させて、仕事以外の分野で「価値」を感じ高める
→「余暇」での充実を、「仕事」に生かすことが可能に。エンゲージメントを高める


①については、以前コラムでも詳細を書きました。
②については、近年、健康経営への取組の中でも、「福利厚生」の分野で注目されてきています。
ここで大切な考え方が「バウンダリー・マネジメント」です。

バウンダリーは境界を意味する言葉です。
2つの事柄(境界)をコントロールして良い状況を作り出すことが、
「バウンダリー・マネジメント」の考え方です。
健康経営の場面で言えば、「仕事」と「余暇」をコントロールする力、とも言えますね。

厚生労働省の発表した「令和元年版 労働経済の分析」では、
・仕事と余暇時間の境目のマネジメント(バウンダリー・マネジメント)が
「出来ている」と自己評価された方は、働きがいが高い者の構成比が高い。

・働きがいが高い者が心掛けている取組には、
「家族や恋人と過ごす」といった内容に加えて、
「自己管理力を高める」
「普段からプライベートの話を職場で出来る人間関係を構築する」
  「余暇時間に仕事が気にならないよう、計画的に業務処理する」
といった業務遂行に関連する内容もある。

との研究結果も出ています。
ただし、「余暇の充実」は言葉でいう程、簡単ではないと思う方も多いのではないでしょうか。
特に「仕事が趣味」と言わざるを得ない状況の人にとっては、
意識の転換が必要な場面もあるかもしれません。

新しい働き方を進める中で、否応なしに私達に突き付けられた「余暇」。
どのように開発して、それを仕事にも生かしていくかは、
個人だけでなく、「エンゲージメントを高める」必要性のある組織にとっても、
検討課題(支援の対象)なのではないでしょうか。

 

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

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