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専門家コラム

つながり

2020-12-07 テーマ: メンタルヘルス

【ヒューマン・タッチ レター vol.70】

みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチの森川です。

 

今週は1週間かけて、九州でセミナーを行っておりました。

福岡、唐津、長崎、雲仙、口之津、天草と回り明日、ようやく帰京します。

 

口之津から天草方面へ向かうフェリーでの出来事です。

全ての仕事を終えて、疲れた表情で船上からふと海岸沿いに目をやると、

自転車をこぎながら、大きく手を振る2人組が見えます。

よく見ると小学生から中学生ぐらいの男子生徒のようです。

夕方遅い時間のフェリーです。乗客は私含めて5名程度。

瞬間、その中に知り合いがいるのか、それとも船員さんに家族などがいるのか、

と思い、船に目をやるのですがそれらしき人は見当たりません。

 

にもかかわらず、本当に必死に(少なくとも私にはそう見えました)、

自転車をこぎながら器用に大きく手を振る二人に、

思わずこちらも手を振り返してしまいました。

これが墨田川や竹芝桟橋であれば、

人目を気にして手を振ることはなかったかもしれませんが、

なにせこちら側では手を振る人間もいませんし、

彼らが船の方向へと必死に走る岸辺の道やその周りには人っ子1人いません。

なによりこちらに向かいながらの行動です。

 

私が手を振るのを確認するや、手を振ることに集中するかのように、

2人は自転車を降りて、それまで以上に大きく手を振ってくれるのです。

こちらも負けじと、今度は両手を交差させる形で大きく手を振り返しました。

すると、彼らも同じ動作で返してくれます。

船が進むにつれ、どんどん彼らの姿は小さくなりますが、

確かに手を振り続けてくれています。

お互いに姿が確認できなくなるぐらいまで手を振り続けました。

 

当然彼らの表情はわからないのですが、

2人で「おぉー」とか「手振ってるぞ!」とか「おもしろいな」とか、

笑いながら手を振る姿が不思議とイメージ出来ました。

彼らもその瞬間、私の表情や思いを感じてくれていたのではないかと思います。

とてもすがすがしい気持ちになりました。

 

コロナ禍、コミュニケーションの大切さが改めて認識されています。

コミュニケーションの語源は相手と私で共有する、

という意味だとどこかで聞いたことがあります。

名前も知らない学生さん2人と私は「想い」を共有できたように感じます。

何かを共有できたときに、

「自分を理解してくれた」

「自分は相手に思いを伝えるに値する人間なのだ」

「彼らに想いを伝えられた」と感じることが出来たのかもしれません。

 

もちろん、子どもたちのお遊びに付き合わされただけ、かもしれません。

けれど私には必死に手を振る彼らの姿から、それ以上のものを感じられる体験でした。

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

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