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専門家コラム

「傾聴」ワーク

2020-02-17 テーマ: メンタルヘルス

【ヒューマン・タッチ レター vol.34】

みなさん、こんにちは。森川です。

ここのところ、ホテルやレジャー施設、服飾小売りなど接客業務がある会社での研修が続きました。

一般的にはラインケアでの「部下との面談」、またセルフケアでの「コミュニケーション」のワークで、

いわゆる「傾聴」のワークを入れることがあります。

 

メンタルヘルスに限らず、階層別研修などで「傾聴」の入門のワークは

多く取り入れられていると思います。

「受容」と「共感」の姿勢がベースですが、聴き手の「聴き方」もかぎになります。

「うなずき」「繰り返し」「要約」といった技法をワークの中で体験していただくものです。

 

最も代表的なワークは、

聴き手がまず「石になって、まったく動かずに相手の話を聴く」というものです。

これは、聴き手の「うなずき」や「合いの手」がどのような意味を持っているか、に気づいていただくワークです。

多くの皆さん(話し手)が

「話す意欲が無くなる」「聞いていないという感じからイライラする」「話すことをあきらめる」、

聴き手の皆さんからは「申し訳ない気がする」「なんだかむずがゆい」といった感想をいただきます。

 

教科書的なワークの狙いとしては、

「うなずきや合いの手が、相手に聴いていますよ、理解しようとしていますよ、ということを伝える大きな役割があり、その効果は自分自身が思っているよりも大きなものがある。また、目の前にしっかり聞いてくれる人、理解してくれる人がいると、もっと聴いてほしい、もっと理解してほしい、と人は感じる」ということです。

 

ただ、ワークを実践していると、聴き手から「話が頭に入ってこない」という

ご意見が出ることがままあります。

私自身も気づきだったのですが「うなづき」は、

相手に「聞いているよ、理解しようとしているよ」を伝えるのみならず、

相手の話を自分の頭の中に入れていくための物理的な作業(かみ砕いて飲み込むような…)として必要なのかも、と感じています。

 

また、上述の接客のプロの皆さんで同じワークを行うと、

話し手から「なんとか相手に伝えようと、いつもより一生懸命、身振り手振りを使ってお話しした」

「伝わってほしいという気持ちを強く感じた」とのご意見もいただきました。

これもまた、私にとっては気づきでした。

業務の中で、大切にされている「価値」がぶれていないということかな、と理解しています。

 

セミナーは対象者によって、また、その時の場の雰囲気や関係性によって、

参加するすべての人に「体験」としての気づきを提供する場だ、と改めて感じています。

 

 

 

 

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

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