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専門家コラム

医師面接には行きたくない~高ストレス判定後の実状~

2020-01-23 テーマ: ストレスチェック

【ヒューマン・タッチ レター vol.30】

 

みなさん、こんにちは。森川です。

今日は、ストレスチェックの結果、高ストレス者に該当した方の対応について話題にさせてください。

 

ある会社の従業員の方から

「高ストレス者に該当したけれども、医師面接は行きたくない」

というよりも、以下の理由から「行きにくい」というお話をいただきました。

 

・忙しくて面談にいく時間の確保が難しい。

・初めて会った相手に、所用時間40分ほどでは、状況説明くらいしか話せない。

・仕事の時間を割いて面談しているので、その後の仕事が気になり、ゆっくり話せない。

・話した内容が社内に知られるのでは、という不安。  

 

確かにそうですね。

現状、高ストレス者に該当する方は、実施者全体の約10%前後です。

この中で、医師面接を申し出る方は、弊社の数字でも3~5%程度です。

1,000人規模で実施した場合、高ストレス者が約100人、

その中で医師面接を希望されるのは3~5人程度の計算です。

この場合、高ストレス者の実に95人以上は、

何も対応されない可能性があるということです。

 

この理由、上記の方のご意見を聞くとよくわかります。

今までにない文化というか、対応ですので

医師面接への疑問や不安、また、実務的な課題を感じるのは当然だと思います。

 

ただ、医師面接は、個人情報が適切に取り扱われることが前提ですが、

私個人は以下の理由から、メリットも多い取り組みだと思っています

 

・現状のこころの健康度を客観的な視点から確認できる

(自分では不調を認識しづらい)

・必要に応じて、医療機関等の情報提供をしてもらえる

・必要に応じて、職場での就業状況の配慮につながる

・「自己効力感(自分に対する信頼や有能感)」の向上

・「カタルシス効果(ストレス解消、うっぷん晴らし)」の向上

・「内省(自分の考えや気持ちを整理する)」の向上

・問題解決のヒントは自分の中にある

 

事業主側も、医師面接の実施率の低さに対しては、問題意識が高まっており、

心理職などによる全員面談(予備面談)などを実施するところも増えてきております。

この場合、原則面談内容は守秘され、最大で1時間程度しっかりと時間を取り、面談場所も工夫することが可能です。

「いつもと違うぞ」と感じる不調の際、

医師や心理士の面談を受けることは、いち早く自分の状況に気づき、

適切な対応をとるために必要なことだと思います。

 

加えて、不調というより

「なんだか頭の中がもやもやする」

「イライラがつのる」

「仕事がうまくいかない」

こんな場合でも、面談受けていただき、

自らの考えや気持ちを整理するのに、ぜひご活用ください。

 

 

 

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

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