
アサーション①~臨床心理士が教える具体的事例~
【ヒューマン・タッチ レター vol.12】
アサーション①~臨床心理士が教える具体的事例~
みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。
今回は2回にわたって、「アサーション」についての話題です。
セルフケア研修のバリエーションは様々ありますが、アンガーマネジメントやハラスメントの話題と共に、最近「アサーション」も改めて注目されていることを現場の声から感じます。
職場での人間関係については、実に5割以上の人が、ストレス要因と感じている現状があります。自分の気持ちをうまく相手に伝えるスキルは、どの年代の方にも役に立つ方法なのかもしれません。
「アサーション」と聞いて、「?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私の理解する「アサーション」とは、「自分を大切にしたうえで、相手も尊重し、自分の気持ちや考えをその場に応じた手法で表現すること」です。
「アサーティブな表現方法」と言われたりします。
他にも、自分だけを優先して、時には怒りの感情を前面に出して表現する「アグレッシブ」な表現もあれば、自分よりも相手ばかり優先して表現する「ノンアサーティブ」という表現もあります。
前者は、「自分を大切にしているではないか」「自分が言いたいことを言えてすっきりするではないか」「相手を屈服させることが出来て気持ちが良いではないか」との感想をお持ちの方もいるかもしれません。
本当にそうでしょうか。
アグレッシブな表現が強い方は、その一瞬はすっきりするかもしれませんが、「相手から報復を受けたらどうしよう」「相手を傷つけてしまったのではないか」と思う方もあります。
職場では、このような人の言葉は説得力を失い、結果評価や成果を上げづらかったりすることもあると思います。
他方、後者では、「自分さえ我慢すればよい」「自分を殺せばすべてうまくいく」と考える方もいるかもしれません。
本当にそうでしょうか。
ノンアサーティブな表現をしがちな方は、ある場面で自分の気持ちをぐっと押し込める分、違う場面で大きく感情を表現してしまうこともあります。
職場では気が小さいのに、家庭に戻ると、家族に途端に大きい顔をする、またその逆もしかり。
自分の気持ちを殺しきることは不可能だと思います。バランスをとるために、どこかで大きく表出され、人間関係を損なっていることがあるのかもしれません。
「アグレッシブ」でもなく、「ノンアサーティブ」でもない「アサーティブ」な表現は、相手にとってだけでなく、自分にとっても大切な表現なのだと思います。
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株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師 |
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