メンタルヘルス.jpトップ > 専門家コラム > 長引く大人のひきこもり(2)
このエントリーをはてなブックマークに追加
専門家コラム

長引く大人のひきこもり(2)

2019-06-17 テーマ: 引きこもり

【ヒューマン・タッチ レター vol.04】

長引く大人のひきこもり(2)~臨床心理士が教える具体的事例~

 

みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。

前回のコラムで「大人の引きこもり」について触れました。

引きこもりの期間が長くなる方は、独自の「信念」を持っているケースもあります。

「自分は自らこの状態を望んで、選択したのだ」

「今の状況になんの問題があるのだ。少なくとも、家のことは手伝っている」。

 

もちろん、今の状況を何とかしたい、という気持ちはゼロではないと思います。しかし、そのような思いは、結果、動けない自分と直面し、自分自身を責めてしまうことにもなりかねないので、どうしても、それとは異なる「理解」「理由付け」が必要になるのかもしれません。

 

「動けない」理由は本当に様々です。

精神科的な疾患が影響しているケースもあると思います。

そこまででなくても、極度の対人緊張や不安を出してしまう人、周りに配慮しすぎて(周りの声が聞こえすぎて)自分をないがしろにし、疲れ果ててしまう人、過去のとても苦しい体験から同じような場面をどうしても避けてしまう人。

 

「隕石が落下してくるのが不安で外に出られない」

「車(自転車)を運転していると、人をひいてしまったのではないかと不安になり、外出できない」

「電車に乗ると、痴漢と間違えられるのではないかと電車に乗れない」

こんなケースもありました。

 

認知や思考面での偏りが強化され、行動が制限されているのかもしれません。

ただ、このような方々でも、実際に外出してみて、「隕石が落ちてこなかった」「電車に乗ったけれども、そもそも女性が乗っていなかった(一緒に乗車しましたが、田舎の電車でしたので…)」という体験を重ねることで、偏りは徐々にやわらかくなっていくこともあるのだと思います。

思考や認知も大切ですが、体験を通じた「きづき」は、それを書き換える力を秘めていると信じています。

 

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

専門家コラムナンバー

 専門家コラムバックナンバー一覧へ

メンタルヘルスサービスをお探しの企業様へ

『メンタルヘルス.jp』の掲載企業・サービスについて事務局のスタッフが、ご紹介・ご案内いたします。

  • 掲載企業に一括お問合せが可能です
  • 特定の企業に絞ってのお問合せもできます
  • 企業選定のご相談も承ります

まずは下記「お問合せ」ボタンをクリックし、ご連絡先、ご要望等を入力の上、事務局までお気軽にお問合せください。

お問合せ
プライバシーマーク