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専門家コラム

「復職はまだ認められない」と言うために必要なこと

2018-05-15 テーマ: 人事支援

人事:「復職可の診断書を持ってきてもらったけど、今会社では2回以上休職した人には

リワークに通ってもらうことにしている。あなたは3回目の休職だから今回は復職の前にリワークに通ってほしい。

主治医にもそのように伝えてもらえるかな。」

休職者:「今は体調も回復して、毎日元気に過ごせています。夜も眠れるようになりましたし、気分も安定しています。

むしろやることがなくて暇なくらいです。前回までと同じように少し職場でリハビリすれば復帰できます。」

人事:「まあ、そんなに焦らないで。体調回復しているのならリワークに通ってから復職しても遅くないよ。」

休職者:「リワークに行くのはイヤです。リワークに行くと数か月は復職が遅くなると聞いています。

それでは経済的に厳しいんです。すぐに復職させてください、お願いします!」

 

 

休職者からこのように懇願された場合、あなたはそれでも「リワークに行かないなら、復職は認められない」とハッキリ言えるでしょうか。

 

このような押し問答の末に結局こちらが折れて、当初の計画とは違う“リワークなしでの復職”を認めてしまう方も少なくないのではないでしょうか。

 

 

ほとんどの休職者は体調が安定してくると「一刻も早く復職したい」と主張してくるものです。

中には上記の例のように経済的な問題を持ち出したり、親の介護等のプライベートな問題を持ち出したりして情に訴えてくる人もいます。

 

このような相手に対して「No」を伝えるのは、人事としても非常にストレスです。

まるで自分が何か悪いことを言っているような気持にすらなります。

 

しかし、このようなときに安易に「Yes」と言ってしまったことで、結果的に双方が不利益を被るという事態はしばしば起こります。

目先の状況に流されず、ハッキリと「No」を言うために必要なのは、“知識”と“納得”です。

 

 

まず“知識”とは、病気に関する基本的な知識や休復職までの流れについての知識です。

 

例えば、休職者が「すぐに復職させてほしい」と訴えてきたときに、これを「復職の意欲がある」と捉えるか、

「病気の症状としてよく見られる“焦り”である」と捉えるかで見える風景はまったく違ってきます。

 

 

次に“納得”とは、会社側の対応についての上司や人事の納得です。

 

実際に休復職に対応する上司や人事には、“なぜそれをする必要があるのか”を深いレベルで納得していることが必要です。

 

例えば、復職に際して会社側がリワーク通所を求めるのであれば、

上司や人事は“なぜリワークに通う必要があるのか”を自分自身が深いレベルで納得していなければいけません。

 

「会社はリワークに通えと言っているけど、もし自分がその立場になったらリワークなんて行きたくないし、

自分も同じように抵抗するだろうな」と思っているようでは上手くいかない、ということです。

 

営業の世界では「自分が欲しいと思えないものは売れない。

自分が本当に欲しいと思うようなものは黙っていても売れる」とよく言われます。

これは人事対応でもまったく同じなのです。

 

“復職のためにはリワークに行くことが重要だ”と上司や人事が心から納得していれば、

意外と休職者は黙って指示に従うものなのです。

 

そういう意味では、休職者と“押し問答”になっている時点で、

こちら側の納得感が足りていない、とも言えるのかもしれません。

 

もしご自身だけではどうしても対応の必要性について納得できない場合には、

ぜひ弊社の担当までご質問ください。

弊社担当が今まで経験した事例に基づき「なぜその対応が必要なのか」をご説明させていただきます。

キューブ・インテグレーション株式会社 シニアコラボレータ―
産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、二級FP技能士 【専門領域】産業精神保健、認知行動療法、ストレスマネジメント
臨床心理専攻。専門学校で学生の心理及びキャリア相談を担当。EAP事業会社にて、カウンセリング部長として企業のメンタルヘルス全般をサポート。約2000件の従業員への臨床に携わる。外資系会社から商社、組合・公務員団体等多岐にわたる研修を実施。

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