
復職後のフォローアップについて①
2018-01-19 テーマ: 人事支援
うつ病の再発率は約50〜60%と言われています。
しかも、再発を繰り返す度により長期の休養が必要になる等、重症化する傾向にあります。
過去に3回のうつ病エピソードがあると、その再発率は90%以上とも言われます。
メンタル休職者の復職後の再発リスクを考え、
最近では社内での試し出勤やリワーク施設の活用を導入する企業が増えてきました。
不完全な回復状態では職場復帰させず、
「実際に働ける状態か否か」の事例性によって慎重に復職判断をすることは、
再発防止のためにとても有効と思われます。
そして、慎重な復職判断に加えて再発防止のためにもう一つ重要となるのが、
復職後のフォローアップです。
厚労省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」にも、
5つあるステップ中の5ステップ目として、“職場復帰後のフォローアップ”が位置付けられています。
復職後のフォローアップには、①本人支援、②上司/周囲の人の支援の2つの目的があります。
「本人支援」のみでは不十分であり、
本人との面談から得られた情報を元に「上司や周囲のメンバーを支援」することで、
包括的な支援体制を整備していくことが重要となります。
弊社では、復職者本人を取り巻く環境をシステムとして捉え、
上司/周囲の人の支援を重点的に行うことで、
結果的に本人がスムーズに復職できるような支援に力を入れています。
次回は取り組みの中身について、詳細に述べたいと考えています。
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キューブ・インテグレーション株式会社 エグゼクティブコラボレーター |
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公認心理師/臨床心理士/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
【専門領域】産業精神保健、ストレスマネジメント、認知行動療法 公立大学付属病院精神科デイケア、心療内科クリニックデイケアを経て、精神科クリニック外来業務、教育相談課スクールピア事業に従事。その後、EAP事業会社にてカウンセラーとして従業員からの相談、研修業務に携わり、企業のメンタルヘルスケアを支援。 |
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