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専門家コラム

行動から見る心理学 その5

2017-05-09 テーマ: 人事支援

今回は、、“「行動」をコントロールする方法”の中から、
その前提となる“「行動」が出来ない理由”についてお話したいと思います。

 

突然ですが、あなたの母親(もしくは父親でも)は料理上手でしょうか。
「いやー、正直うちの父は料理の才能がまったくないんですよ」
「私のお母さんは手抜き料理ばっかりでしたね。愛情が足りないんですよね。」

これらは日常会話であればそれほど違和感のない受け答えではないかと思います。

 

この場合、「才能がない」「愛情が足りない」ことが
“美味しい料理を作ることが出来ない”理由ということになります。

 

しかし、
行動分析学ではこれらを人間が「行動」出来ない理由としてこれらを原因とは考えません。

 

行動分析学で理由として考えるのは、主に以下の2つです。

1.やり方がわかっていない(=知識がない)

2.間違って学習している(=間違って覚えている、スキルが足りない)

 

これは“美味しい料理を作ることが出来ない”ということで考えてみると、

1.レシピを知らない

2.「切る」「焼く」「煮る」「蒸す」などの概念に誤解がある、

もしくは、

これらの行動が一定以上のスキルで出来ない(トレーニング不足)

ということになります。

 

ここで重要なのは、

決して「料理の才能がないから」「味音痴だから」
「舌がおかしいから」「愛情が不足しているから」など
といったことを理由として持ち出さない、ということです。

 

これらは行動分析学では“個人攻撃の罠”と呼ばれています。

 

“個人攻撃の罠”は、行動できない理由を個人を攻撃する方向に求めてしまい、
結果として“どうやったらこの問題を解決できるのか”を考えられなくなってしまうため、
避けるべきものとされています。

 

次回は、「行動」がうまくできない理由‐「行動」が具体的に定義されていないことについて、
詳細に説明します。

 

キューブ・インテグレーション株式会社 シニアコラボレータ―
産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、二級FP技能士 【専門領域】産業精神保健、認知行動療法、ストレスマネジメント
臨床心理専攻。専門学校で学生の心理及びキャリア相談を担当。EAP事業会社にて、カウンセリング部長として企業のメンタルヘルス全般をサポート。約2000件の従業員への臨床に携わる。外資系会社から商社、組合・公務員団体等多岐にわたる研修を実施。

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