
「仕事の価値」を見出せる人材に。
こんにちは。一般社団法人日本研修コーディネーター協会の飯島です。
先日あるニュース記事で「新入社員はお金を求めていない、やりがいを求めている」
という内容がありました。確かにこれだけ豊かな社会であればそうかもしれません。
(マズローの5段階欲求説における自己実現欲求でしょうか)
ただ、気になるのは「やりがい」を新入社員が会社や組織に求めているということです。
確かに会社や組織が社員の動機づけのために昇給・昇格、福利厚生の充実、働きやすい
環境づくり、健康増進などの「やりがいを高めるしくみ」を作ることは大切です。
しかし、社員とくに新入社員も与えられるだけではなく、自らが「やりがい」を見出すことも
大切ではないでしょうか。
私事で恐縮ですが、大学を卒業して最初に配属されたのは債権回収を担当する部署でした。
多くは「不良債権」と言われるものであり、もちろん希望して配属されたわけではありません。
周囲からは「大変な部署にいっちゃったね」と言われましたが、代わってくれるはずもなく(笑)。
正直、私自身も職場に行く足取りが重かったことを覚えています。
ある日、ふと思いました。
「どうせ何年かはこの仕事をやるんだ。どうせなら、何か技術を身につけよう!」
そこで思いついたのが「交渉力(ネゴシエーション・スキル)」です。
「よし、仕事を交渉ゲームとして考えよう!」
私の仕事は「いかに債権を回収するか」でしたから、交渉が仕事と言っても
過言ではありません。しかし、大学で交渉の勉強などしたことはなく、
会社もそんな研修をしてくれません。
生まれて初めて「交渉術」の本を読み、無料セミナーに出るようになりました。
あとは毎日実践!実践!さあ、実践!
当然、失敗もありましたが、完済に結び付いたこともありました。
(うまくいった日は、自分へのご褒美として日本酒を飲みました!)
今ではその経験が本当に役立った、あの部署で良かった、と思います。
会社や組織が「これを学べ」「これを身につけろ」などと言ってくることは
稀です。何を学び、何を身に着けるのかは自分自身が決めること。
つまり、それが「やりがい」につながるのだと感じます。
与えられた仕事をこなすことも大切です。でも、考え方によっては自分の成長のために
仕事を利用すれば良いわけで。それが「仕事の価値」なのではないでしょうか。
「やりたい仕事じゃなかったから」そう言って辞めてしまう人も増えています。
新入社員のうちに「仕事の価値」を見出せる人材にすること。
それが大切だと思うのです。
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一般社団法人日本研修コーディネーター協会 代表理事/人材育成コンサルタント・日本酒コンサルタント |
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「研修設計のノウハウを広めています」
効果的な研修や人材育成を行なうためのワークショップ開催や資料提供、ファシリテーター派遣を行っています 今までに設計した研修は2000件以上。その満足度は90%以上いただいております。 真剣に人材育成に取り組んでいる企業・自治体や担当者様のパートナーとして 全力で支援し、人材育成で組織を元気にしたいと考えています。 |
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