
メンタル休職者復職時の産業医活用のコツ②
前回のコラムでは、傷病休職をした社員に対して復職前の産業医面談を実施することは、
リスクマネジメントの観点からとても重要であり、産業医は主治医とは独立した立場で
復職判断することが大切であることをお伝えしました。
産業医の判断を行う上でもう一つ重要な手がかりとなるのが、
その企業の復職基準になります。
厚労省の職場復帰の手引きには、
「労働者が十分な意欲を示している」「通勤時間帯に一人で安全に通勤ができる」
「決まった勤務日、時間に就労が継続して可能である」「業務に必要な作業ができる」
「作業による疲労が翌日までに十分回復する」「適切な睡眠覚醒リズムが整っている」
「昼間に眠気がない」「業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している」
といった参考基準が記載されています。
復職基準を就業規則等に具体的に定めている企業はまだ少ないのが現状ですが、
これらを手がかりにその企業の復職基準を整備しておくことで、産業医がその
会社の基準に則した判断ができるようになるでしょう。
また、産業医面談の前に人事担当者が本人と事前面談を行うといった運用上の
工夫もされるとよいでしょう。
もし事前面談で懸念点があれば、人事の目線で産業医にその状況を伝えておくことで、
産業医面談でより本人の状態を精査しやすくなることが期待されます。
ご存知のようにメンタル疾患は再発しやすい疾患でもあり、再発の大きな要因の一つに
就業準備性不足が指摘されています。
再発は職場にも本人にとっても大きな損失となります。
復職基準の整備・周知を行い、産業医を復職面談で上手に活用していくことで、
当該社員に対して復職に向けてコンディションを整えておくよう自覚を促し、
再発ケースの減少につながっていくものと考えます。
引き続き、次回のコラムでは、企業におけるメンタルヘルス対応にまつわるテーマで、
人事担当者に押さえて頂きたい情報を提供していきたいと思います。
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キューブ・インテグレーション株式会社 エグゼクティブコラボレータ― |
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公認心理師/臨床心理士/精神保健福祉士/社会福祉士/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
2009年度日本うつ病学会奨励賞受賞 精神科クリニック、障害者職業総合センター等で集団精神療法、デイケア、就労支援の他、スクールカウンセラー、千葉県医療技術大学校非常勤講師、千葉県庁健康管理室相談員を歴任。その後、EAP事業会社にて復職支援を中心にメンタルヘルス対策支援に従事。 |
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