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マインドフルネス
[マインドフルネス]

「マインドフルネス」とは、自分の気持ちを“今、この瞬間”に意図的に向けて、現実をあるがままに知覚すること、あるいはそうした心の状態を体得するためのトレーニングを指す言葉です。メンタルヘルスを整え、創造性や集中力を発揮するためには、“今、ここ”に意識を集中し、とらわれているネガティブな感情や思い込みから離れることが有効だと考えられています。これは仏教の瞑想(めいそう)法に由来する概念で、欧米では1970年代頃からストレスに対処する技法として普及し始めました。近年はうつ病の再発防止を目的とする心理療法に導入されるなど、医療や教育、人材開発の現場でも注目を集めています。

マインドフルネスのケーススタディ

インテルが世界10万人の従業員に実施
“今、ここ”に意識を集中し、心を整える

2014年4月、米インテルは世界63ヵ国、約10万人の従業員を対象としたグローバルなトレーニングプログラム「Awake@Inter」を9週間にわたって展開すると発表し、大きな反響を呼びました。多くの経営者やビジネスパーソンが驚いたのは、研修の規模の大きさもさることながら、その内容が「マインドフルネス」の考え方をベースにしたプログラムだったからです。インテルのような最先端のIT企業が、古来の瞑想を起源とする“心のトレーニング”に取り組むという意外性が、人々の関心をひきつけたことは想像にかたくありません。

同社は「Awake@Inter」の展開に先立ち、従業員1500人による事前の効果測定を実施しています。その結果、ストレスや切迫感の緩和、幸福感の増進、洞察力や集中力、クリエイティビティの向上といった点で明らかな改善が見られたことから、マインドフルネスプログラムの本格導入に踏み切りました。

最先端企業とマインドフルネスとの組み合わせ――実はインテルに始まったことではありません。同社に先行すること7年、グーグルはすでに07年から社員研修にマインドフルネス習得のスキルを導入し、集中力や創造性の開発に活かしています。この2社以外にもアップル、ナイキ、P&G、マッキンゼーの各社が同様の取り組みを実践。脳神経学などの最新研究によって、その効果が科学的にも検証されつつあることから、米国のビジネス界ではマインドフルネスがブームの様相を呈しています。

このマインドフルネスを高めるトレーニングの基本は、端的にいうと、“今、ここ”に意識を集中して行うメディテーション(瞑想)です。一瞬一瞬の現実をあるがままに受け入れる心のありようを会得するために、座って自分の呼吸に意識を集中したり、あらゆる音に耳を澄ましたり、飲み物を飲んで口、のど、胃などの感覚に注意を向けたりと、さまざまな技法が使われています。

人はともすると、起こってしまった過去への後悔や、逆にまだ起こってもいない未来に対する過剰な不安にとらわれがち。そうなると、肝心の“今、ここで起こっている現実”に注意が向かわなくなり、仕事のパフォーマンスや対人関係にも支障をきたしかねません。激しい環境変化にさらされながら、スピーディーな判断を迫られる現在のビジネスパーソンにとって、感情や思い込みからいったん離れ、現実をありのままに知覚するマインドフルネスのスキルは非常に有益であると考えられます。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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