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「メンタルヘルス」の注目ニュース

男性は40、50代でプライベートの悩み増、女性は30代がピーク~ライフステージに応じて働く人の悩みは男女間で相違:ピースマインド・イープ

[2016.06.28]

従業員支援プログラム(以下、EAP※)事業を手掛けるピースマインド・イープ株式会社は、毎年度のEAP利用者の相談傾向を集計・分析して「EAP白書」として発行しています。今般2015年度版「EAP白書」の内容を、ピースマインド・イープ株式会社の調査・研究機関である国際EAP研究センターと共同して分析した結果、以下の有用な知見を得ましたのでご報告いたします。

※EAP(従業員支援プログラム):“Employee Assistance Program”の略称で、職場の生産性を向上させるために、行動科学の観点から個人や企業に解決策を提供するプログラムを指します。従業員一人ひとりが十分に能力を発揮し、組織全体が健康に機能できるように、従業員と組織の双方にコンサルテーションやサポートを行います。職場のストレス、上司や部下との人間関係、キャリア、プライベートな悩み(夫婦関係、育児、介護等)など、多様な相談テーマに対応し、従業員が健康な状態で安定して働く力をサポートします。

 

<今回の調査結果のポイント>

1. 男性は年齢とともにプライベートに関する相談が増加、女性は30代でプライベートに関する相談の割合がピーク

男性女性ともに、全年齢層を通じて職場に関する相談が半数以上を占めます。男性では年齢とともにプライベートに関する相談の割合が一貫して上昇する特徴がありました。特に男性の50歳以上では約4割をプライベートに関する相談が占めています。一方、女性では30代にプライベートに関する相談のピークがあるのが特徴となっています。

 

2. 職場に関する相談: 男性の30歳未満で「対人関係」、女性の40代以降で「対人関係」に関する相談が多い

職場に関する相談に限定すると、男性では30歳未満において「対人関係(仕事上)」に関する相談が比較的多く、30代において「仕事の問題」が多い特徴がありました。30歳未満の「対人関係(仕事上)」に関する相談の具体例としては上司との関係性に関する相談、30代の「仕事の問題」の具体例としては異動や業務の変更に伴う悩みに関する相談が多く見られました。一方、女性においては30歳未満で最も多かった「仕事の問題」が30代、40代で一旦減少し、その後50代以降に増加するのが特徴となっています。また、40代に「対人関係(仕事上)」に関する相談が多くなる特徴があり、具体的には上司や同僚との関係に関する相談が多く見られました。

 

3. プライベートに関する相談: 男性では「対人関係」に関する相談が一貫して増加、女性では30歳未満の「健康」、30代の「対人関係」に関する相談の多さが特徴

プライベートに関する相談に限定すると、男性では年齢の上昇と共に「対人関係(家族・パートナー関係)」が増加しており、男性においてプライベートに関する相談が増加する一因になっていると考えられます。一方、女性においては「健康」に関する相談が年齢とともに減少する傾向にあり、「対人関係(家族・パートナー関係)」「生活」に関する相談は30代で高い値を示した後に減少していきます。女性におけるプライベートに関する相談全体としては、30代にピークを迎え、その後年齢とともに低下する特徴が見られました。

 

<考察>

本調査からは、性別と年齢層によってEAPへの相談内容傾向に差があり、組織で働く人は職場とプライベートの両面で性別やライフステージに応じて多様な悩みを抱える可能性が示唆されます。

男性において、30歳未満で「対人関係(仕事上)」の相談が多く、特に上司との関係性に関する相談が多く含まれることからは、男性の職業生活の初期段階では上司との関係性が極めて重要であることを示唆していると考えられます。また、30代に「仕事上の問題」、特に異動や業務内容の変更に関する相談が多く含まれることからは、異動や業務内容変更が能力開発につながる一方でストレス源にもなりやすいことを示唆しています。

さらに、男性において年齢とともにプライベートでの「対人関係(家族・パートナー関係)」に関する相談が増加している特徴は、中高年男性の仕事の生産性に、家族関係に代表されるプライベートの問題が影響を及ぼしている可能性を示唆しています。

女性において、30代でプライベートに関する相談が多いことは、結婚や出産・育児等のライフイベントを経験する人の多さだけでなく、女性がそうしたライフイベントの影響を受けやすい状況を反映している可能性があります。さらに、40代で職場に関する相談、特に「対人関係(仕事上)」に関する相談が増加傾向にあることの理由としては、当該年齢層の女性においては、育児から職場復帰する際や子育てが一段落して再就職した際等に、新たな人間関係の構築が必要となる場面が多いことが考えられます。また、50歳以降の女性において多くなっている「仕事の問題」の内容としては、昇格や業務内容の高度化・複雑化に伴う相談事例が比較的多く見られ、キャリアを積んだがために仕事面で難しい局面が生じやすくなっている可能性があります。

女性において40代以降にプライベートに関する相談が減少傾向にありますが、これは必ずしもプライベートに関する悩み自体の減少を示しているとは限らないことに注意が必要です。たとえば、結婚・出産を契機に仕事と子育ての両立で悩む女性の多くが30代で退職している、あるいは40代以降に働き続けている女性は家族・パートナー関係で十分な支援を得られている等の理由によりEAPに相談する件数としては減少している可能性があります。

我が国では2015年に「一億総活躍社会」がスローガンとして掲げられ、少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持し、家庭・職場・地域で誰もが活躍できる社会の実現に向けて様々な取り組みが始まっています。「一億総活躍社会」を実現するためには、本調査で明らかになった男女間のニーズの違いやライフステージ(年齢)によって異なる悩みの特徴を踏まえた施策、たとえば、組織で働く人が必要に応じて個人のニーズにカスタマイズされたコーチングや支援を受けられるような仕組みの導入の推進が望まれます。

 

<調査概要>
【調査期間】 2015年4月~2016年3月
【調査対象】 ピースマインド・イープのEAP利用者から抽出した2,450名(男性1,297名、女性1,153名)

 

<参考情報>
国際EAP研究センター
EAPサービス
スマート・ワークライフ
ストレスチェック義務化対策
研修・トレーニング
 

<本件に関する報道関係者のお問い合わせ>
ピースマインド・イープ株式会社 広報担当:荻原・宮中
TEL:03-3541-8656/FAX:03-3541-8655/E-mail:press@peacemind-jeap.co.jp

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(ピースマインド・イープ株式会社 http://www.peacemind-jeap.co.jp/ /6月21日発表・同社プレスリリースより転載)

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