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昇進うつ
[ショウシンウツ]

「昇進うつ」とは、昇進したことがきっかけで生じるうつ状態のこと。「出世うつ」ともいいます。部下ができる、あるいは増えることで生じる人間関係のストレスや、目標達成のプレッシャーなど、昇進によって責務が重くなることからメンタルヘルスに影響を及ぼしている状態です。うつ病はさまざまな要因が絡み合って発症するため、明確に昇進だけが原因になっているとは言いにくいことも多く、昇進うつという名称も正式な医学用語ではありません。

昇進うつのケーススタディ

昇進うつの症状にならないために
本人と人事ができる対策は

昇進うつには、マネジメントのストレスから来るもの、上司からのプレッシャーから来るもの、目標達成の不安から来るものなど、さまざまなケースがあります。「優秀なプレーヤーが優秀なマネジャーになるとは限らない」とよく言われます。例えば、専門スキルを評価されて入社した専門職や技術職の人のなかには、マネジャーに登用されてストレスを感じることもあるでしょう。

「昇進うつ」の症状は、うつ病の症状と同様で、慢性的な疲労感や不眠、食欲不振または過食、頭痛、腹痛、吐き気、めまい、集中力の低下などといったものが一般的です。身体にこういった症状が出るまで自分を追い込んでしまうのは、弱音を吐くことができない環境や、メンタルヘルスに対する職場の理解・知識不足などが原因です。

昇進うつにならないために本人ができるのは、いつでも相談できるように上司との関係性を築いておくこと、任せられる仕事は部下に任せること、相談できる相手を持つことなど。「上司によって言うことが違う」という言説をあちらこちらで聞きますが、この認識のすれ違いは、管理職になるとさらに大きな摩擦を生む可能性があります。昇進して新たな上司ができたら、まずはじっくりと話をして、上司がどのような目的や評価基準を持っているのか、価値観のすり合わせを行いましょう。

では、従業員が昇進うつにならないように、企業や人事ができることは何でしょうか。例えば、昇進から数ヵ月間はマネジャーのメンタルヘルスに気を配り、必要に応じて面談を行うこと。上司と部下というレポートライン以外にも部署横断的な1on1を行い、つながりを持つ機会を作ること。ストレス状態にある従業員が自分自身をケアできるよう、メンタルヘルスに関する正しい知識を得るための教育も必要です。

 

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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