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ジョブ・クラフティング
[ジョブ クラフティング]

「ジョブ・クラフティング」とは、従業員一人ひとりが、仕事に対する認知や行動を自ら主体的に修正していくことで、退屈な作業や“やらされ感”のある業務をやりがいのあるものへ変容させる手法のことです。ジョブ・クラフティングのプロセスでは、仕事の現状を可視化して整理し、自分の動機や強み、能力を明らかにした上で、業務内容や人間関係、仕事に対する認識を組み直していきます。会社や上司の指示・命令ではなく、働く人々が自分自身の意思で仕事を再定義し、そこに自分らしさや新しい視点を取り込んでいくと、モチベーションが高まり、パフォーマンスの向上につながるという考え方です。
(2016/3/28掲載)

ジョブ・クラフティングのケーススタディ

やらされ感をやりがいへと変えるために
仕事への認知や行動を自ら修正する技術

作業効率の向上を重視する経営学の領域では、それを実現するための職務設計として、古くから分業の徹底を志向してきましたが、この手法には限界がありました。効率優先でとことんまで切り分けられ、個別化されていく仕事に、働く人々がやりがいや喜びを感じられなくなってしまったのです。自分の仕事が社会や組織の中で何の役に立っているのか、誰にどう評価されているのかが見出せなければ、そこに残るのは“やらされ感”だけでしょう。作業効率を高めながら、従業員の意欲やモチベーションを保つにはどうすればいいのか――そうした問題意識の中から注目されるようになったのが、「ジョブ・クラフティング」の概念です。

ジョブ・クラフティングの理論は、米イェール大学経営大学院で組織行動論を研究するエイミー・レズネスキー准教授とミシガン大学のジェーン・E・ダットン教授により提唱されました。その方法は次の三つの“修正、見直し”から成ります。

(1) 社会的な交流の質や量を見直す
人間は本能的に他人と意味のある関係を結ぶことを欲します。顧客や上司、同僚などとの関わり方を積極的に変え、その幅も広げていくことで、仕事の手応えをより強く実感でき、業務の進行もスムーズになると考えられます。

(2)仕事の意義を広げる
仕事の意味に対する意識を修正します。自分が担当している業務の目的や貢献度を、高次の視点からより広く俯瞰的に捉え直すことで、喜びを感じにくい仕事にも、やりがいをもって打ち込めるようになると考えられます。

(3)仕事のやり方や範囲を見直す
職場の慣習や前例にとらわれず、より楽しく取り組めるように仕事の内容をすすんでアレンジすることを考えます。自分の強みや関心を取り込みながら、主体的かつ柔軟に自分の工夫やアイディアを実践してみると、それがやりがいのきっかけに。

 

例えば、(2)の例としては、P・ドラッカーの次の有名なエピソードが挙げられます。ヨーロッパを旅行中、石工たちがレンガを積んでいる光景を目にしたドラッカーが三人の石工に「あなたは何をしているのですか」と別々に尋ねました。一人目の石工は「親方の命令でレンガを積んでいる」と答え、二人目は「レンガを積んで塀をつくっている」と答えましたが、もう一人の石工はこう答えたそうです。「私は、たくさんの人たちがお祈りに来る大聖堂をつくっているのです」と。同じ仕事に携わっていても、ただ「レンガを積んでいる」と思って働いている人と、「人々が祈る大聖堂をつくっている」と思って働いている人とでは、どちらが仕事からより大きなストレスを感じ、どちらがより多くのやりがいや充実感を得ているかは明らかでしょう。

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