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DESC法
[ディーイーエスシーホウ]

「DESC法」とは、ポジティブなコミュニケーションを行うための方法で、率直で誠実な意見の伝え方を目指します。DESCは自分の意見を述べるための四つのプロセスの頭文字をとったもの。Dは「Describe」で客観的に事実を描写すること、Eは「Express」で自分の感情を率直に伝えること、Sは「Specify」で具体的に提案や依頼をすること、Cは「Choose」で相手の行動に応じて自分の行動を選択することを意味しています。円滑にコミュニケーションを進めることを目的とした、主張を上手に伝えるための技術です。

DESC法のケーススタディ

相手を尊重しながら主張する
アサーティブ・コミュニケーションを

アサーティブ・コミュニケーションというキーワードを聞くようになりましたが、具体的にはどのような概念なのでしょうか。アサーティブとは、相手を尊重しながら自分の意見を主張すること。相手を気にせず強く主張するアグレッシブ、意見をいわないノンアサーティブの中間にあり、アサーティブなコミュニケーションはビジネスにおける態度として評価されやすいといわれています。会社でのポジションが上がれば上がるほど、アグレッシブな姿勢が上司としてふさわしいと思い込む人がいますが、自分の意見が正しいという前提で価値観を押し付けることは、部下との良好な関係を損ないます。

DESC法は、アサーティブ・コミュニケーションを行う上で有効な手法ですが、具体的にはどのように行動すればいいのでしょうか。まずは「D(Describe)」。忙しいときに人から仕事を頼まれたときは「今忙しいので無理です」と言うのではなく、「16時までに○○の作業を終わらせなければいけません」と事実を伝えます。

「E(Express)」では、「お手伝いしたいのですが、今日は難しいです」などと、攻撃的にならないよう感情を率直に伝えます。「S(Specify)」では、具体的な提案として「A君であれば、専門性も高いので手伝ってくれるかもしれません」というように解決案を示します。最後の「C(Choose)」では、相手に選んでもらい、その結果を受けて自分でも行動を選択します。例えば、「A君には頼めない」と相手がいうのなら、「来週なら手伝えます」「A君を一緒に説得します」などと、自分の行動を示します。

DSEC法は仕事だけではなく、私生活にも応用することができます。自己犠牲に慣れてしまっている人や、反対に他者への尊重が足りていない人にとって、他者とのほどよい親密性を構築するのに役立ちます。人への依頼事が苦手な人は、DSEC法に沿ったコミュニケーションから始めてみてはいかがでしょうか。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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