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専門家コラム

ウィズコロナのメンタルヘルス対策④~従業員側のセルフケア改革

2020-11-06 テーマ: 職場環境改善

【ヒューマン・タッチ レター vol.66】

みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。

今回も、前回の続きになります。

 

コロナ時代のメンタルヘルス対策のポイントとして以下を指摘しました。

 

◆インターネットを用いたリモートでの研修やセミナーの充実

◆在宅勤務下ならではの健康管理手法の確立

◆従業員側のセルフケア改革

 

従業員側のセルフケア改革

メンタルヘルスの仕事に関わるようになり15年以上経ちますが、

セルフケア対策は、「ストレスとどのようにお付き合いするか」という基本は、

昔から変わっていないように思います。

職場の人間関係、仕事の量の問題、仕事の質の問題、適性の問題…、

これらストレス要因があることを前提として、どのように対処するかがメインの内容です。

 

呼吸法や筋弛緩法など各種リラクセーションの手法、

ものの見方や捉え方を変えることで、感情や行動をコントロールする手法、

眠りや運動、日光を浴びるなど生活習慣から対応できる手法、

ある種、受け身の対応ともいえるのではないでしょうか。

 

ここ数年、このような受け身の手法ばかりをお伝えすることに、

どこか違和感を覚えてきたのは事実です。

結局のところ、ストレスフルな職場環境はそのままに、

従業員に「うまく適応しろ」「がまんしろ」と言っているのとどう違うのか。

お金をいただいているのは企業様からですから当然なのかもしれませんが、

企業にとっての「イエスマン」製造装置なのか、と。

 

働き方が変われば、私たちの仕事は無くなるのでは、と思っていました。

そもそも集合して仕事をしなければ、極端にいえば、

人間関係から来るストレスからは大きく解放される可能性があります。

業務の量も質も、テレワークで細分化され、ジョブ型の業務環境になれば、

コントロールが効きやすくなることもあるでしょう。

そんな状況下で、「苦手な人との付き合い方」「コミュニケーション」とか、

「マネジメントの秘訣」などは必要なのか、と。

ただ、このような変化は数十年かかるだろうとも思っていました。

 

しかし、予想もしていなかったコロナの影響により、

はるか将来の出来事と思っていた変化が、わずか1年で実現されようとしています。

こうなると、私の中で否応なしに「セルフケア改革」の必要性が増してきました。

 

どのような改革が必要なのか。

視点を企業側の「企業に都合の良い従業員を作り出すセルフケア」ではなく、

個人側の「自分は何を大切にして、どのように生きていきたいかを整理し、

組織と個人の『価値』の重なりを明確にするセルフケア」

180度変化させるということです。

 

ここからは少し極端な意見になります。

弊社の考えというより、私個人の考えとして受け止めてください。

 

「人間関係」「仕事の量」「仕事の質」「適性度」

このようなものが、本当にストレス要因なのでしょうか。

仕事柄、企業の経営者や起業家と会う機会が多いですが、皆さん激務です。

もちろん残業という概念はなく、24時間常に業務のことを考え、行動している方々です。

私も含めてそのような人達は

「ストレスはない」もしくは「ストレスは感じない」とおっしゃる方が多いと感じます。

 

「人間関係」「仕事の量」「仕事の質」「適性度」

このようなものがストレスの要因となっていることは「0」ではないと思うのですが、

それ以上に、仕事に「楽しみ」や「価値」を見出しているからこそではないでしょうか。

 

例えば、10ある業務のうち、8個が自分の「価値」と重なっていなくても、

2個でも自分の「価値」と重なっていれば、

相対的にストレスは感じない、それよりも重なる価値に対して「やりがい」や

「おもしろさ」を感じる、という方もあるのではないでしょうか。

 

ここで言う「価値」とは、

「何を大切にして生きているか」「自分はどのようになりたいか」

「自分が心地よいと感じる状況などんなのか」などを指しています。

 

職場のストレスはこれら自分の「価値」と、

職場(会社、部署、チーム)の「価値」、のずれ具合から生じている、

と認識してはどうでしょうか。

これらの重なりが最も大きいのは、「オーナー経営者」ではないでしょうか。

自分の責任の中で、自らの価値と組織の価値を重ねることが可能です。

ただ、このような状況にいられる人はごく一部です。

多くの職業人は、雇用契約を結んだ労働者です。

自らの「価値」と職場の「価値」の重なりは、望むことはできないのでしょうか。

 

ここに、これからのセルフケアのヒントがあると考えています。

重なりを求めるのではなく、重なりを探す作業です。

重なりを求めるというのは、例えば組織側に「価値」の変化を求めることですが

これは、なかなか難しいですね。というより、ほぼ不可能でしょう。

かといって自分の「価値」を変えることも同様になかなか難しいですよね。

 

出来ることは、重なりを探す作業です。

「価値」を大上段に捉えて、例えば一言で表現するようなもので理解する場合、

組織と個人でその重なりを見つけるのは難しくなります。

ですので、自らの「価値」を大きく3つに分けてみるのです。

 

「①長期の視点からの価値」

「②中期の視点からの価値」

「③短期の視点からの価値」です。

 

①はまさに人生を通して大切にしたい「価値」です。

自分の背骨となるようなもので、毎年変わるようなものではなく、

もって生まれた特性も考慮した「価値」です。

人生の中でどのような選択をするにも、

選択の背景となって自分の決定を支えてくれるものです。

 

②は3年もしくは5年後のなりたい自分を作り出すために必要な「価値」です。

「管理職になりたい」「仕事と家庭を両立したい」「○○の資格を取りたい」

「年収500万にしたい」など、具体的な目標を達成するために大切にしたい「価値」です。

もちろん、これらの目標は①の価値と紐づいているべきものです。

 

③は、今ここで大切にしたい「価値」です。

「ここちよさ」にもつながるものです。

「お客様から感謝の声をいただいた」「やり切った仕事から達成感を得た」

「ディスカッションで少しヒートアップしたが皆の意見をまとめて前に進めることができた」目の前の取組について、自分が「心地よい」と思える判断をするために必要なものです。

もとろん、②と③に紐づいているものです。

 

「価値」を上記の3つに分けてみると、

「価値の重なり」をより見つけやすくなると感じています。

組織との「価値の重なり」が、10%なのか、80%なのか、

これによってストレスは大きく異なって来るはずです。

もちろん重なりを増やすのが良いのですが、

「重なりがある」「重なっている」との認識を持つだけでも、

相対としてのストレスは軽減されると感じています。

 

「価値」の重なりを感じ、重なりを増やす選択を行っていくために最も大切なことは、

なによりまずは自分の「価値」を知ることです。

「①長期の視点からの価値」「②中期の視点からの価値」「③短期の視点からの価値」

を整理し、常にアップデートしていく作業、

これがこれからのセルフケアの形だと思っています。

 

新しい視点のセルフケア研修ですが、企業内だけでなく、対個人に対する研修として、

今後展開していく予定です。

 

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

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