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専門家コラム

自律訓練法

2019-09-11 テーマ: メンタルヘルス

【ヒューマン・タッチ レター vol.14】

自立訓練法~臨床心理士が教える具体的事例~

 

みなさん、こんにちは。ヒューマン・タッチ森川です。

今回はリラクセーションの一つ、「自律訓練法」について話題にさせていただきます。

 

「自律訓練法」とは、ドイツのシュルツによって体系づけされた自己催眠の一種です。

自律神経系には、戦う神経系の「交感神経」と、休む神経系の「副交感神経」があります。

緊張が高く、常に臨戦体制の方は「交感神経」が優位になりがちです。

そこで、「副交感神経」を優位にして、バランスをとってあげることで、リラクセーションを目指します。

 

「自律訓練法」では、疲労回復や自己効力感の向上、ストレス緩和などの効果がありますが、

今まで、病院やカウンセリングルームで行ってきた中では、うつ病の患者さん、特に眠りに課題がある方より、

「眠りに入りやすくなった」との感想を多く聞きます。眠りの改善をきっかけに、始めるのもよいかもしれないですね。

 

実際には、教示が独特であり、専門家の指導の下で行っていただくことをお勧めします。

基本公式から、第6公式まで、呪文のような教示があります。第2公式までで効果があるともされています。

書籍や動画もたくさん出ていますので、興味関心がある方は、まず出来るところから(第2公式まで)

始めていただくのもよいと思います。

 

■実施の前に

・重篤な心臓病の方は、実施を避けてください

・体を締めるもの、ネクタイやベルト、眼鏡などは緩めてください

・光の刺激も少ないほうがベターです

・衣服はゆったりとしたものをご準備ください

・座って行う場合には、少し足を前に出して、肩幅ほど広げて、両手を軽く膝の上に置きます。

不快でなければ目を閉じてください。

 

■消去動作を覚える

自己催眠の一種ですので、訓練が終われば、元の世界に戻るために、簡単な動作を覚えてください。

両こぶしを強めに握って、胸の前まで引き寄せて、力強く前に押し出しながらこぶしを開いて「パー」の形にします。

これを3回ほど繰り返してください。

 

■公式

・背景公式

気持ちがとても落ち着いている。

・第1公式‐手足が重い。

「右腕が重たい」「左腕が重たい」「右脚が重たい」「左脚が重たい」

「両腕が重たい」「両脚が重たい」「両手両脚が重たい」

・第2公式‐手足が温かい。

「右腕が温かい」「左腕が温かい」「右脚が温かい」「左脚が温かい」

「両腕が温かい」「両脚が温かい」「両手両脚が温かい」

 

■進め方

・背景公式は、毎回2回ずつ唱えます。

その後に、第1公式から順に唱え、意識を体に向け、重たさや温かさを感じてみてください。

まずは利き手から始めて、重たさを感じられたら、次の腕、脚に1つずつ進んでください。

・1回あたりは5分程度におさめて、毎日複数回練習してください。

 

訓練の最後には消去動作も忘れずに。

・重さは、おもりがついているのをイメージしたり、温かさは、周りにヒーターが置いてあるのを

イメージしたりするのもよいかもしれません。

 

繰り返しになりますが、しっかりと体験したい方は、学界に所属している医師や臨床心理士の指導を受けられることを

お勧めします。医療機関でも実施してくれるところもありますので、主治医がいる方は確認してみてください。

株式会社ヒューマン・タッチ 代表取締役 臨床心理士 公認心理師
通算500社以上のコンサルティング、900件以上の復職面談、年間100件以上のセミナーをこなすメンタルヘルス対策専門コンサルタントです。
メンタルヘルス対策の仕組みづくり、個別休職復職支援、ラインケアセミナー、セルフケアセミナー、全員面談、ストレスチェック、職場環境改善、災害・自死等の危機対応など、「こころ」の視点から、「いきいき職場づくり」をトータルに支援いたします

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