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専門家コラム

【障がい者雇用】変調を早めに把握し、上手な意識管理を行うには

2019-04-15 テーマ:

今月初旬に厚生労働省が発表した調査結果によると、

民間企業における雇用障がい者数は15年連続、実雇用率は7年連続で

過去最高の値を更新し続けています。

一方で、雇用障がい者数は534,769.5人(対前年比7.9%増)、

実雇用率は2.05%(対前年比0.08ポイント増)となりましたが、

法定雇用率達成企業の割合は45.9%と、前年より4.1ポイント減少しました。

 

達成企業の割合が減少した原因としては、昨年4月に法定雇用率が改定され

引き上げられたことと、雇用率の算出対象が拡大したことが考えられます。

とはいえ、民間企業で働く障がい者は着実に増え続けています。

 

そこで、働く障がい者が増加することに伴い課題が大きくなっている、

‘精神障がい者の職場定着率の低さ’について、今回のコラムでお話しします。

 

障害者職業総合センターが発表した調査研究結果(2107)では、

精神障がい者の就労1ヶ月後の職場定着率は、全障がいの平均と比較して、

3.8ポイント低く、更に半年後は6.8ポイント、1年後は9.1ポイント

低くなっています。これにより、精神障がい者は他の障がいを持つ人よりも

職場に定着して働くことが困難であると言えます。

 

5年に1度行われる厚生労働省による調査(2014)では、

転職経験のある身体障がい者、精神障がい者のうち約6割の障がい者が

個人的な理由により前職を退職したことが分かっています。

その個人的な理由の中でも1位になるのが‘賃金、労働条件に不満’です。

2位には‘職場の雰囲気・人間関係’が上がっていました。

 

意外にも、‘疲れやすく体力意欲が続かなかった’、‘症状が悪化(再発)した’

などの要因は上記の理由よりも割合が低く、障がい自体による離職というより、

居心地の悪さやモチベーションの保てなさによる就労継続の難しさが

根底にあるように思います。

 

障がい者とはいえ、全てにおいて健常者よりもハンディキャップが

あるというわけではありません。

その障がいに応じて、または、その人の個性に応じて、他の職員よりも

特定の作業の遂行能力に長けている、という精神障がい者の方もいます。

 

そのような精神障がい者の方々の特長をいまひとつ活かしきれていない

職場が多くあるように感じるのが現状です。

これは、その他の障がいでもあり得ることですが、精神障がい者雇用に

関しては、顕著にみられることです。

その理由として多いのが、’調子を崩したときに、社内で対応しきれるか不安’

というものです。障がい従業員を抱える企業は、その障がいが悪化しないことを

気にかけながら、日々の業務を指示しています。

 

精神障がい者が調子を崩すには、それまでの背景と理由が必ずあります。

就労後に症状が再燃してしまった、体調が悪くなってしまった、という

精神障がい者の方々をみていると、必ず不調に陥る前に職場の中で前兆が現れています。

 

前兆とは、判断力・集中力の低下、周囲との関わりの回避、上司への報告の遅れ、

同じミスの繰り返しなどです。

しかし、これらの前兆も、その人によって出現の仕方はさまざまです。

 

症状が安定してるときのスキルの高さから、大切な戦力となる精神障がいをもつ

従業員がいる場合、精神障がい者を雇用する企業には、

障がい特性には配慮しつつ、精神障がい者のキャリアアップにつながるサポート、

会社の戦力として業務を任せられるかの見立て力が求められています。

 

‘働く世代’の精神障がい者が増え続けているいま、

上手に精神障がい者と共働できる取り組みが求められています。

キューブ・インテグレーション株式会社 コラボレーター
臨床心理士、東京都スクールカウンセラー 【専門領域】障がい者雇用の企業支援、精神障がい者の採用・定着・育成支援
精神科クリニックのディケア、小児専門クリニックでのアセスメント、公立学校でのスクールカウンセリングの研修を経験。その後、加えて教育現場でソーシャルワーカーとして事業に携わっていた。そのほか、私設カウンセリング室にてカウンセリング業務に従事。

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