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専門家コラム

参加型職場環境改善活動がもたらすセルフケアの力

2018-02-28 テーマ: 職場環境改善

ストレスチェック法(通称)が施行され、初年度の事業場の実施率は82.9%、受検率は78.0%と、まずまずのすべり出しでした。一方、医師による面接指導を実施した事業場の割合は32.7%、医師による面接指導を受けた労働者の割合は0.6%と極めて低率でした。会社として医師面談を制度化することは言うまでもありませんが、個々人の意識の改革も大きな課題です。意識改革は非常に難しいと思われますが、職場環境改善活動が個人の保健行動を変えた事例をお伝えします。

 

(事業場A-職場環境改善活動開始前)

メンタル不調者が高率であったA事業場。最近なんとなく元気がないBさんを同僚Cさんは心配になり、気分転換に飲みに誘いました。飲み会の席では普通だったBさんですが、数週間後から会社を頻繁に休むようになりました。

休みが多くなったことで、上司Dマネージャは産業医面談をBさんに勧めましたが、Bさんは面談を受けず、また年休の範囲内でもあったため上司はそれ以上強い干渉はしませんでした。その後Bさんは、病欠・休職という結果になりました。

 

(事業場A-職場環境改善活動開始後)

最近仕事に集中できず、ミスを多発するHさん。同僚IさんはHさんに最近どうしたのか?と尋ねました。Hさんは仕事に自信をなくしており、最近は熟睡できず、休日は1日中寝ているとのことでした。同僚IさんはHさんに健康相談を受けることを勧めました。まずは保健師さんに相談。その後、産業医面談にて経過観察となりましたが、上司同席面談なども功を奏し、徐々に回復しました。

最近なんとなく元気がでないMさん。同僚Nさんと昼休みの雑談時に健康診断の話題になり、「そうだ健康相談を受けてみよう」と思い、すぐに予約を入れました。

血糖値がやや高いものの専門医を受診するほどではありませんでしたが、食事指導と運動指導を受けました。また、体の不調からメンタル不調になることもあると知り、職場の仲間に情報を共有しました。職場ではしばらくその話題で会話が盛り上がったそうです。

 

不調症状が出現した早い段階で自ら健康相談を受けるという行動、または同僚に健康相談を勧めるという行動は、従前の職場ではあまり見受けられませんでした。この時の職場環境改善活動の改善テーマは「上司・部下間のコミュニケーション」でしたが、「個々人が健康について考える」という職場の文化風土も醸成されていたことがわかります。

この様に職場環境改善活動は組織全体のみならず、個々人の健康意識をも変化させる可能性があり、取り組む価値は大きいと言えるでしょう。

 

(コラム記事掲載予定テーマ)

第1回 健康経営、働き方改革、その成功の鍵は職場環境改善(済)

第2回 H事業場の参加型職場環境改善リーダを任されたAマネージャの苦悩①(済)

第3回 H事業場の参加型職場環境改善リーダを任されたAマネージャの苦悩②(済)

第4回 参加型職場環境改善具体例(残業抑制~どう実行したか) (済)

第5回 参加型職場環境改善活動がもたらすセルフケアの力(本コラム)

第6回 参加型職場環境改善の効果検証

第7回 参加型職場環境改善はやり続けないといけないの?

(職場環境改善活動継続のこつ)

NECソリューションイノベータ株式会社 イノベーション戦略本部 シニアエキスパート(~2018/1勤務)
多くの人の「健康」と「生活する・働く」という事に向き合って30数年。社員にとっての母であり、時には厳しい父の役割を担ってきました。
私は、健康とは「元気に働くことができる」「能力を発揮することができる」「能力を伸ばすことができる」の3つが揃った状態と定義し、多面的に課題解決に取り組んできました。各企業様が「健康経営」に自然に取り組めるようにお手伝いしたいと思っています。

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