
中小企業にも使いやすいメンタルヘルスプログラム
抜群の費用対効果で注目されている「ALART(アラート)」
労働安全衛生法が改正され、2015年12月1日から従業員数50名以上の企業には、従業員のストレスチェックの実施が義務づけられることになった。そのため、メンタルヘルス対策にかけられる予算があまり潤沢ではない中小企業などを中心に、手軽に導入できるEAP(Employee Assistance Program)サービスを求める声が高まっている。そこで注目されているのが、株式会社ドリームホップの提供するメンタルヘルスプログラム「ALART」だ。その特徴について、同社執行役員ソリューション事業部長の椋野俊之氏に聞いた。

椋野 俊之(むくのとしゆき)
1980年兵庫県生まれ。同志社大卒。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野TOMHコース修了。大手EAP会社の経営企画部に入社後、商品企画、事業開発、管理会計業務を担当する。 株式会社ドリームホップでは中小企業向けメンタルヘルスプログラム「ALART」のサービス責任者として活躍中。業界初の助成金を活用したサービス、ストレスチェックから医師面談まで完全対応したプログラムを始めユニークな取り組みを行っている。ALARTをサービス開始後6ヶ月間で100社超に導入し、業界注目のサービスに発展させる。
100名以下の企業なら9.5万円から導入可能。実施者業務も込みのサービス
――まずはストレスチェックプログラム「ALART」を開発された背景からお聞かせください。
一番のきっかけは「労働安全衛生法」が一部改正され、2015年12月から従業員数50名以上の企業に社員のストレスチェックが義務づけられたことです。これまでもメンタルヘルス対策の重要性が叫ばれてきましたが、実際に取り組んでいるのは体力のある大企業が中心でした。そのため、ストレスチェックをはじめとするEAP(Employee Assistance Program)を提供する企業も、大企業の利用を想定したサービスを主体にしていました。中小企業が手軽に導入できるサービスは、ほとんど存在しない状況だったのです。
しかし、ストレスチェック義務化が迫ってくるに従い、さまざまな方から「手頃なプログラムはないだろうか」というご相談が多く寄せられるようになりました。大手企業向けのフルラインナップのサービスでは予算をオーバーしてしまう、しかしストレスチェックの結果を判定するメンタルヘルス専門家を自分たちで手配しようと思ってもよくわからない、どうしたらいいのだろう……といった悩みを抱える企業が非常に多かったのです。
そこで開発したのが、弊社のストレスチェックプログラム「ALART(アラート)」です。専門的な知識を持たない企業でも手軽に導入できるワンストップサービスでありながら、導入費用を中小企業が利用しやすい範囲に抑えた設計になっていることが最大の特色です。
――中小企業にとって、導入のための費用負担は非常に気になるところです。
「ALART」は中小企業でも採用しやすいように工夫されており、そのため従業員数に応じた段階ごとの料金体系を採用しました。一例ですが100名以下の企業の場合、年間9.5万円からの予算で「ALART」の導入が可能です。従来型のサービスの場合、最低でも年間100万円前後からの料金設定が一般的でしたので、「ALART」は費用対効果が抜群に良くなっています。
また、従来のサービスには安価なシステムだけで実施者代行費用は別途、というものが少なくありませんが、「ALART」にはストレスチェック実施に欠かせない実施者代行費用も含まれています。そのため中小企業だけではなく、官公庁や一部の大手企業など、大口の導入先が急速に増えています。
2016年9月現在の「ALART」導入先のうち、大手企業、官公庁は約20%ですが、こうした導入先は従業員数・職員数が多いので、利用者ベースではすでに50%を超えました。低予算で導入できることに加えて、サービス内容の充実という面もご評価いただいていると考えています。弊社の実施者(保健師、精神保健福祉士等)がストレス判定から研修までを実施しています。
弊社の実施者(保健師、精神保健福祉士等)がストレス判定から研修までを実施
―「ALART」のサービス内容や特色などを、具体的にお教えいただけますでしょうか。

「ALART」はそれぞれの企業のニーズに応じて、柔軟に対応できるプログラムです。ストレスチェック義務化の対象企業の場合、もっとも標準的なのは、「ストレスチェックシステム」「実施者代行」がセットになったプランです。他に「各種コンサルティング」「ラインケア研修」「セルフケア研修」「ストレスチェック導入研修(実施事務従事者向け)」など各種研修も充実しています。
「ストレスチェックシステム」は、厚生労働省が推奨している職業性ストレス簡易調査票を中小企業にも使いやすくカスタマイズし、クラウド型システムなので、各企業でインストールなどを行う必要は一切ありません。質問は全57項目。仕事の空き時間や就業後などに、5~10分ほどで回答することができる手軽なものです。さらに詳細な分析を行いたいという企業向けには全80問からなる上位版も提供しています。また、23項目の簡易版にも対応しており、企業によって23項目、57項目、80項目の選択が可能です。
ストレスチェックの結果が出たら、次は医師面接に必要な「高ストレス者」を判定しなければなりません。最近はストレスチェックシステムのみを低価格で提供し、実施者を介さず機械的な処理だけで高ストレス者を判定するサービスもあると聞いています。しかし厚生労働省は、原則として実施者(医師、保健師、精神保健福祉士、厚労省の定める所定の講習を受けた看護師)が判定するべきであると規定しています。
ストレスチェック義務化に対応するには、企業側が独自に実施者へ判定を依頼しなければなりませんが、経験のない中小企業にとっては大きな負担です。しかし、「ALART」は実施者の判定サービスも基本パッケージに含まれていますので、企業担当者の負担が軽減されます。
各種コンサルティングや研修は各企業の状況をうかがった上で、最適な内容をご提案しています。コンサルティングの一例として、心の健康づくり計画の策定支援、ストレスチェック実施のための社内体制の構築支援、復職支援プログラムなど多岐にわたります。また、研修では主にストレスチェック義務化において社内実務を担当する方向けの担当者研修、管理職向けのライン研修などメンタルヘルスにかかわる広範囲なテーマをご用意しています。このようなご提案について、導入先からは「柔軟に対応してくれる」「手厚くサポートしてくれて助かった」という声をいただいております。
多くの企業が悩んでいる医師による高ストレス者面談も開始
―今後、さらに力を入れていかれる点などについてお聞かせください。
ストレスチェック義務化は、高ストレス判定を受けた従業員が医師の面接を受け、そのフィードバック結果を基に社内で対策を取ったことを労働基準監督署に報告するまでがワンサイクルとなります。今、多くの企業から寄せられているのが、「面接できる医師を紹介してほしい」というご相談です。
産業医のメイン業務は健康診断、長時間労働者の面接、職場巡視などであり、内科の医師と契約している企業が多数です。そのため、精神科や心療内科の知識・経験が必要となる「高ストレス者の面接」は、産業医の先生から「対応できない」と言われるケースが少なくありません。また、複数の拠点を持つ企業の場合、50名未満の事業所には産業医の選任義務がないため、そもそも産業医がいないケースがほとんどです。
そこで弊社では、高ストレス者の医師面談を提供できるサービスに力を入れています。独自ネットワークを通じ、2016年9月現在47都道府県で医師面談が実施できるようにサービスの拡充を実現しました。
―メンタルヘルス対策を導入検討中の企業にメッセージをお願いします。
ストレスチェックは、2016年11月30日までの間に1回以上実施しなければなりません。今後も毎年1回以上の実施が義務付けられています。
企業規模にもよりますが、ストレスチェックは事前準備から始まってワンサイクルを行うのに3~6ヵ月程度はかかることが多いので、事業者選定を早めに行うことやその内容を吟味することが重要です。
弊社としては初年度の実施を振り返り、子会社などを持つグループ企業がより運用しやすくなるような機能の拡充、健診機関向けのサービスの拡充を図っていく予定です。ストレスチェックの提供にとどまらず、企業の離職率低下に寄与する新たなサービスも進めていきたいと考えております。

企業データ
社名 | 株式会社ドリームホップ |
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本社所在地 | 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-8-10 クリエイトビル |
事業内容 |
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設立 | 2005年6月 |
代表者名 | 代表取締役 椋野俊之 |
